第280話 領内の山を調べる

さて、話は変わり、領地だが・・・


これだけ広いと、ずっと平原という訳にはいかず、途方もなく大きな湖、小高い山、そして、結構な大きさの山・・・・


ミシェレやヨハンに聞いても、特に魔物はいないらしい・・・・


時々こちらにやってくるルーロフも、特に山には行かないので、何がいるか把握していないとか。


湖も・・・・もしかしたら何か生息しているかもしれないから、きちんと調べないと・・・・


因みに道は、どういう訳かずっとなだらかな場所。だから道にしたわけなんだけど。


まあ、離れているとはいえ、左右が山なので、一応谷?

とはいえ、特にこの辺りが水に浸かるとかはなかったらしい。


道は盛り上げてるから、そんなに心配はいらないだろうけど・・・・


そんな中、山の周辺を開拓していた農民・・・・じゃなく、山の周辺に何かないか調べている山師が俺の所にやってきた。


どうやら、山に何かあるらしい。


しかし・・・・服装だけでは、だれが何の職業か分からないな。

それに、人が多すぎて、全員の顔を覚えるのも無理だし。


俺は、何か特別な素材だった場合に備え、三津枝を連れてきた。


そして、万が一危険があるといけないので、ミシェレも同行している。

何せ、彼女の縄張りだからな、この辺りは。


山師の男性に連れられ、やってきたのは山麓。


この辺りから、山になるのだが・・・・一部は緩やか、一部は切り立った崖のようになっている。


木々に囲まれている場所もあるようだ。


ミシェレに聞くと、


「私は大きいから、こんな所には来ない・・・・」


そう言ったミシェレの視線の先には、山師が指さす森の一部に隠れた一画。


切り立った場所の一部に穴が開いている。


木に囲まれていて、俺達じゃわからないなこれ。よくこんなの見つけるな・・・・


「それが特技ですから。」


そういう山師の男性。


山師は、森や山にこういった・・・・洞窟か?を見つけて調べたり、木を切ったりして生計を立てているそうだ。



間違っても詐欺や一発狙い、投機の方じゃないからね、この人は。


鉱山を見つけたり、木を伐採して売り買いをする、そんな人だ。


1人で調べるのは危険・・・・と俺に知らせてきたらしい。


いい判断だ。


彼はビクトル・オジャという名前らしい。


かなりの腕利きらしいのだが、ある日、此処より数百キロ離れたとある領主の土地で、鉱山を発見したが、その土地の領主に報酬を踏み倒され、あまつさえ命を狙われたのだとか・・・・


そして、命からがら身一つで脱出し、俺の領地のうわさを聞き、そこへ行く人々に同行し、此処に流れ着いたそうだ。


・・・・どこぞの貴族か商人か知らんが、欲に目がくらんだな。


こんな腕利きの山師、まだ若いのに・・・・手元に置かないなんて。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る