第265話 今度は馬?

 俺達は早速戻り始めた。

 ここで足を引っ張るのが・・・・海の神獣リヴァイアサンだったオデットだ・・・・


 歩く事に慣れないうえ、今まで泳いでいた事もあり、どうしても俺達に着いてこられない。

 仕方がないので、背負っていく事に・・・・


【王子さまごめんね、私小さいから軽いと思うから・・・】


 元が一番でかかったじゃないかと突っ込みたくなるのを我慢し、背負うと・・・・


 うっ!ここで問題が・・・・重い・・・・重いのだ・・・・胸が。


 オデットの胸が大きいので、どうしても背中に胸の主張が凄いのだ・・・・


 これは・・・・何たる破壊力。

 慣れないおんぶに当然ながら?しがみ付いてくる訳で・・・・


 理性が持つかな、俺?


 そう思いながら進むと、来た道では見かけなかった・・・・ああ、そう言えば以前船で来た時上空から見えたやつ?馬を発見する。


 数頭の群れでこちらにやってくるようだが・・・・


 その内の1頭の姿が、何やら違和感が。


 あれ?足が・・・・4脚じゃない?

 5・・・6・・・7・・・・・8!?

 8脚ある?


 何だあれは・・・・?それに、飛び抜けてでかい。


 するとミシェレが


【スレイプニルですよ。】


 と言ってくる。



 何だっけ?確か・・・・馬?の様な生き物だよな?神話とかに出てきそうな。


 そして・・・目が青く光ってて、恐ろしい雰囲気を発しているぞ。


 脚が8脚は1頭だけの様なので、他は普通の・・・・と言っても、俺が知ってる馬よりはるかにデカいが・・・・4脚の脚だ。


 そしてそのスレイプニルが俺の近くまでやってきて、ぎろっと睨んでくる。そして、他の神獣を見て、


【何だよお前ら!まさか人に負けたのか?】


 と、いきなり言い放つ。


【うるさい!彼奴は強い!そなたも戦えば分かる。走るしか能のないそなたに勝てるとは思えんがな。】


 とヨハンが答える。


【おいおい、何言っちゃってくれてるんだよ?この俺様が人間如きに後れを取るとでも?】


【現実は厳しいのよ、ルーロフ。貴方もご主人さまにテイムされてしまいなさい。】


【おいおい言うねえ、ミシェレ。よりにもよって人の姿になっちゃってるじゃねえか!】


【王子さまはすごい!あんたも尻穴に突っ込まれなさい!】


【あ?尻穴に突っ込まれる?俺はそんな趣味はねえよ!】


 オデットの言い様に何か誤解したようだが・・・・俺もそんな趣味はないとだけ言っておこう。


【俺様が留守の間に、ここを通りやがって・・・・先だっても上空を通りやがっただろう、あんた・・・・さあ!殺し合おうじゃないか!】


 そう言って、俺を踏んづける・・・・ルーロフというのか?こいつ。


 俺は背負っていたオデットを突き飛ばし、衝撃に備える・・・・


 デカい脚4脚に次々踏まれ、地面にめり込んでいく。


 またこのパターンかよ・・・・


【弱っちい・・・・なんだよお前ら、こんな奴にやられちゃってるのか?】


 前脚で踏んづけ、後ろ脚で地面を踏み固める。


 完全に油断してるな。


 俺は再び気配を消し、地面に顔を出す。

 腕もすぐに出て、真上には・・・・無防備な奴の尻がある。

 野郎の尻など掘りたくはないが・・・・一部興奮しそうな人もいるかもしれないので・・・・

 今回は剣を構え・・・・ケツの穴に突き刺す・・・・


【あー情けねえ!最近お前らたるんでたんじゃねごぶおげるっぼぼぼぼ!!!】


 途中で変な声を出し、動きが止まるルーロフ。

 見事に尻に・・・・尻の穴に刺さる剣。


 そのまま電気を流してやると、感電したのか、硬直したようだ。

 で・・・・バタッと倒れ、口から泡を吹く。

 全身が痙攣している。


 フッ!またつまらぬものを刺してしまった・・・・


 ちょっと五〇衛門風に言ってみる。


 あ、そうだ、今のうちに・・・・こいつも神獣なのだろう?テイムしとこう。


 気が付くルーロフ。


【くそ手前!やりやがったな!何ケツの穴に突き刺すんだこら!】


「あ、これ普通の・・・ではないけど、鉄の剣。鋼の剣?ダマスカス鋼だけど。いい剣にそんなことできないだろう?」


【それより早く抜け!痛いんだよ!それに、回復してくれ!痔になっちまう。】


 俺は剣を抜き、回復魔法を使用する。


 こうして、4体目の神獣を手に入れた・・・・

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