第257話 ちょっとかまって欲しかっただけなのに・・・・

【私はただ、ちょっとかまって欲しかっただけなのに・・・・ご主人さま、酷いですよ全く・・・・お尻凄い事になっています・・・・しかも、男性の前で粗相してしまいましたよ・・・・】


 もうどう言っていいか分からないが、この巨体ベヒモス、メスらしいが、お尻に石を入れられた事が大層気に入らなかったらしく、恨めしそうに言ってくる。


「いきなり建物を吹き飛ばされ、地面にめり込まされたんだぞ俺は。普通なら死んでるぞ?」


【そんな事はないですよ?以前も上空を飛んでましたよね?凄い人が来た!と思って追いかけましたが、あっという間に見失って・・・・で、久しぶりにまた来たから、頑張って駆け付けたんだけど、止まれなくって何かを吹き飛ばしてしまうし、気が付けば気配が地面の下に消えてしまうで、一生懸命探していたら、突然お尻の穴に何かが入ってきて・・・・もう例えようのない痛みでしたよ?あれ私じゃなければ死んでましたよね?】


 ・・・・大丈夫なのか?

 しかも、攻撃してきたわけじゃない?


「じゃあ、あそこでくたばってる連中は何だ?」


【え?あら?そう言えば何かが当たった感じはあったけど?そう、ご主人さま以外にも人がいたんだね??小さすぎて気が付かなかったわ。ごめんね、みんな?】


 あっさりあやまるベヒモスさん。


 しかし・・・・何度見てもデカいな・・・・


「じゃあなんだ、あんたは俺に会いに来たけど、俺がいた部屋に向かってきたが、止まれず跳ね飛ばし、慌てて飛び出した俺を踏んづけてしまい、気配の消えた俺を探すのに、移動してたってのか?」


【そうそうその通りよ?私、強いのが好き。私より強い生き物って会った事なかったから。同等のは居たけどね、あれはお友達だし?】


 こんなデカいのに好きって言われてもなあ?


「なあ、俺この辺りを領地に貰ったんだが、お前みたいなのが沢山いるのか?」


【えっと・・・・知らないわ。空にはお友達がいるし、海にもいるけれど・・・・この周りには何もいないわよ。】


 ・・・・あれか、強い魔獣・・・・神獣の縄張りだったから、他の魔獣などが、この付近を避けていた?


 というか、ベヒモスがいたから、この領地は手付かずだったとか?

 一寸後で王様に聞いてみようか?どういう事なのかって・・・・?

 何で手つかずのこの土地を俺の領地に・・・・?ってね。



 俺が立ち上がり、部屋を収納し、黒い奴らを回復させ、去ろうとすると・・・・ベヒモスが、


【私を捨てていくの・・・・?私、お尻に変なもの入れられちゃたし、殿方の前で粗相しちゃたし、もうお嫁にいけない。責任取ってご主人さまに嫁として貰って欲しいのに、酷い・・・・】


 え・・・・どう突っ込めばいいのか?


 こんなでっかいの嫁に貰ってもなあ?

 しかも神獣?見た目カバ?サイ?っポイし。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る