第256話 吹き飛ぶ部屋

 ロンダーヴが、俺を現実の世界へ・・・・精霊の住む場所から戻してくれたのだが・・・・何かがおかしい。


 何が?と思った瞬間、俺がいるこの部屋が吹き飛んだ。

 俺はもうめちゃくちゃ彼方此方を打ち付け、もみくちゃ状態。

 流石にベッドは強化していなかったので、バラバラに壊れた。


 何がどうなったんだ?と思う暇もなく、また吹き飛ぶ。

 うが・・・・いてえ・・・・

 またもや部屋の中を転がる俺。

 何が起こっているんだ?

 一瞬部屋が吹き飛ばなくなったので、意を決して外へ出る。


 するとそこには・・・・

 目の前に?途方もなくデカい何かがいた。


 何だ?と思う間もなく、俺は、その何かの脚?に踏みつぶされた・・・・

 もう見事に、地面にめり込みましたよ、全く・・・・

 俺の姿が見えなくなって安心したのか、それは何処かへ移動を開始する。

 俺は暫く考えた・・・


 何で俺は、地面にめり込んでいるんだ、と。

 靴に魔力をこめると、ホバークラフトが働きじわじわ浮き上がる俺。

 地面より肩まで出たので腕が抜け、腕の力で地面から脱出。


 ああ・・・・流石、強化してある組み立て式の建物。吹き飛んでいるけれど、一切損傷はない。

 俺の方はと言えば・・・・土まみれだが服も傷んでいなさそうだ。

 ちょっと踏まれた頭が痛いが。

 浄化をかけ汚れを落とすと、周りを見渡す。


 ”黒い奴”は何処へ行った?

 そう思うと、元々部屋を設置した場所の付近で、見事に倒れていた。

 強化された服を着ているおかげか、皆呻きながらも生きているようだ。

 まあ、死ななければ大丈夫だろう・・・・


 問題は、部屋を吹き飛ばし俺を踏みつけ、何処かへ去ったやつだ。

 どんどん俺から離れていくが、でかい・・・


 後ろ姿は・・・カバかサイか象か分からんが・・・・のっしのっしと歩いている。


 あれは・・・・全長10メートルぐらいないか?高さも同じぐらいだろう・・・・

 何だあの化け物は・・・・


 鑑定すると、ベヒモスと出た。何だっけ?

 もしかして・・・・神獣とか言う奴か?

 俺に何か用があった?それとも縄張りがあって、俺達が其処に侵入していた?

 わからん・・・・が、やられっぱなしってのも気に食わんなあ・・・・


 俺は足元に落ちている石を拾い、ケツを向けて歩いているそれに向かって、思いっきり投げた・・・・


 狙い通り奴の中心に向かって行く石。そして・・・・ズボッ!

 へ?命中したよな?石は消えたが・・・・まさか?お尻の穴に入っちゃった?


 突然動きが止まる・・・ベヒモスだっけ?

 そう思ったら、倒れ暴れ出す。

 全力で石投げっちゃったからなあ・・・・それが肛門?に入ったら、腸を伝って大変な事になっていそう・・・・

 暫らく暴れていたベヒーモスだったが、泡を吹いて痙攣?し始める。


 お・・・・これはもしや・・・?チャンスか?

 倒してもいいが・・・・ちょっとこれを襲った理由が知りたいしな?

 早速奪ったテイムのスキルを試そうか?


 俺はベヒモスに近づき、頭をさわり使い方わからんが・・・・頭でテイムする、と念じた。

 すると・・・・全身脂汗?をかいて目を瞑っていたベヒモスの目がカッっと見開かれ、俺を見る。

 あ・・・・死んではいないけれど、どうやら倒した事になっているな・・・・


 暫らく俺を見つめていたベヒモスだが、やがて体を震わせ・・・・尻から石が出てきた。大量のう▼こと共に・・・・


 涙を流すベヒモス。

 そして、暫くして・・・・


【貴方を主と認めます。それにしても、女性の、それもお尻の穴に石を投げ込むなんて、酷いです・・・・】


 と念話?があった。

 え?このベヒモス、雌なのか?

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