第251話 者ども、出合え!出合え!

 暫くして、大勢の野郎共がやってきた・・・


 何だかべたな展開に困惑する俺。

 そして三津枝が、


「あ!これもしかして、時代劇じゃないですか?者ども、出合え出合え!とか言う奴。」


「あ、もうきっとそれ、さっき俺の聞こえない所で言ったんだろうな。だからこんなに野郎共が来たんだよ、きっと。」


「そうですか・・・・黄門さまとかちょっと憧れたから・・・・」


「さしずめ世津と三津枝が格さんと助さんってか?」


「やっぱりそうなりますか?」


 俺と三津枝が阿呆な会話をしていると、世津が


「囲まれてますよ?」


 と言ってきた。

 ありゃ・・・・パメラさんを逃がし損ねたな。


 仕方ない・・・ちょっと暴れて、印籠を・・・・ってないわそんなの!あれって確か・・・・薬が入ってるんだよな?


 あ!しまった・・・・貴族になったから、家紋というか、旗というか、何か用意しとかなくてはいけなかった・・・・



 俺が侯爵を受けた時に、こっそり言われた事のひとつに、


 貴族たるもの、住まいには紋章を掲げておくように!


 うーん・・・・家紋とどう違うのか・・・・あ、そうだ、何か盾に剣とか動物とか、何かデザインされてる奴だよな、紋章って・・・・


 それを見せれば、俺が侯爵って気が付くような・・・・まっとうな商人なら、絶対気付く・・・・


 まあ、後々。

 そうしているうちに、豚が現れ・・・・何かブヒブヒ言ってる。


「おいお前ら、こいつらは我が商店を荒らしに来た曲者だ!とっとと仕留めろ!」


「だ・・・旦那・・・・女も殺すんですかい?」


「・・・女は・・・・高く売れそうだな・・・・お前ら!褒美にその女共で少し遊ばせてやるぞ!」


「ひゃっほーい!男は殺し!!女は犯せ!行け!」


「おうぉ!!!」


 おいおい、ここあんたらの店なんじゃないのか?


「世津、三津枝、パメラさんを護ってくれよ?」


「わかってる。任せて!」


 気合の入った世津。


「うわ・・・・ゲすい・・・・あ、任せて。」


 2人はパメラさんの左右で護っている。まあ、あの2人なら安心か。


 さて・・・どうするか?


 何人かが俺に向かってくるから、敢えて剣を腕で受け止める。

 流石防御力の高い服。

 低レベルの冒険者崩れの剣なんか、話にならない。


 俺は囲まれつつ、一応向こうから手を出してきたよ?的な事実を作り、

「お前ら、誰に剣を向けたのか、分かってるのか?そして・・・剣を振るってきたという事は、こちらもそれ相応の事をするぞ?死んでも文句は言わないよなあ?」


 俺はニタアッと笑い、相手の剣をはじいて、無力化していく。

 そして、途中から面倒になってきたので、何人か捕まえ、次々投げ飛ばし、次々に周りの野郎共にぶつけ、無力化していく。


 そして、豚にも命中。


 痛いのか、悶絶状態。



 あっという間に相手は無力化。


 俺は豚の前に立ち、


「折角穏便に済まそうと思ってたのにな・・・・ちなみに、俺が最近侯爵の爵位を受けたの、知ってるよな?」


 俺がそう言うと、豚が・・・・


「ひ!まさか・・・・侯爵だと・・・・そんな馬鹿な!わしは知らんぞ!」


 ああ、ここで紋章があれば、この紋所もんどころが目に入らぬか!


 とか

 やれたのにな?

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