第248話 さらなる嫌がらせ

翌日、俺は防犯カメラを何台か設置した。



念の為と思ったが、思ったより早く活躍の場があった。


夜間、店の外側が壊されていた。

まあ、壁が少し壊れただけなんだが。


何せ、俺のスキルで、建物は補強しており、よほどの事が無い限り、破壊は無理だろう・・・・

で、防犯カメラには・・・・一部始終が映っていた。


何やら複数の人が映っている。


その内の一人・・・・デブったおっさんが、えらそうに指示を出している。


で、ハンマーで、壁を叩くのが映る。


だが壊れない。

何度やっても・・・・


一部壁が少しはがれたが、それだけ・・・・


火をつけようとしたらしいが、防火仕様の壁だからな。

表面がすす汚れただけだ。


諦めたのか、落書きだけして帰っていった。


だが・・・・俺は許す気はさらさらない。


ギルドに向かい、防犯カメラから得られた映像で、写真をプリント。

これを持って商館へ行くと・・・・


受付のパメラさんが


「あら?この人は・・・・この街で一番の商店を経営している人ですね。あまりいいうわさは聞きませんけど。」


・・・・なんだ、商売敵か。

俺の店の前までやってきて、指示を出すとかあほかこいつは。


よくそんなのでデカい商売ができたなあ。

「あ、店の名前と、そのおっさんの事教えてよ。」


「いいですよ?普通はそんな事教えませんが、他ならぬ口田さんですからね。しかし、盛大にやらかしましたね!今や口田さんは侯爵。まさか相手が貴族とは思ってないでしょうから、これはとんでもない事になりそうです。」


俺はその店の名前とおっさんの名前を聞くと、そこへ向かう。

あ、パメラさんが付いてくるようだ。


「あなた・・・・本当に行くの?」


「ああ、世津。このまま放っておけば、いずれとんでもない事になる。その前に、誰に喧嘩を売ったのか教えてあげようと思ってな。」


「うわ・・・・しも・・・旦那さま、悪だくみしてる少年みたいな顔してる・・・」


「悪かったな、三津枝。まあ、2人はパメラさんの護衛よろしく!」



・・・・

・・・

・・


そして、たどり着いた店先。


あー何というか・・・・意外とおしゃれな店だ。


「あ、この店、来た事あるよ・・・・まさか店の代表がそんな悪い人とは思わなくて・・・・」


世津が申し訳なさそうにする。

「まあ、悪いのはそのおっさんだけだろう。見た所、店自体は良さそうだしな。」


店は、雑貨?を売ってるようで、

食器やら棚やら、タオルやら・・・・


俺は、3人を引き連れて、中に入る。


「いらっしゃいませ!どのようなご要件でしょうか?」


いきなり女性店員に声をかけられる。


ニコニコしている。


「ああ、妻達がこの店に来た事があると言っていてな、どんな所か見に来たんだ。」


「ありがとうございます!あ、以前お見えになった方ですね!確か服を何着か購入されていましたね?」


そうなのか?


世津がこそっと教えてくれる。


「一般的に出回っている服がどのような素材、縫製、技術で加工されているのか調べるのに、購入したんです。」


・・・・おおう、凄いな世津。


そんな事まで考えていたとは。

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