領地

第245話 領地(予定)へ行ってみる

俺は皆が待つ王都の自宅へと戻り、先程の話をする事にした。


王都に住むんじゃなかった?ああも頻繁に王様が来るとは・・・・


因みに今ティンドールの店は、御国台からの召喚者に任せている。

現地の人間にも、工場でたくさん働いてもらっているが、中心は召喚者。


ちゃんとした常識を持ち合わせている数少ない女性に任せた。


俺は殆ど面識がないのだが・・・・真面目そうな、大人しそうな生徒だった覚えがある。


任せるに当たり、一度話をしようとしたのだが・・・・何故か世津達が何時も傍に居て・・・・まあやましい事があるのではないから気にはしないけど・・・・


流石に王都の店に比べれば、売り上げは微々たるものだが、別に儲けようと思って店を出したわけじゃない。

儲けるだけなら、貴族に装飾品を売れば、それで済む話だからな。


ティンドールで、店を構え、召喚者に店を任すのは、ひとえに彼、彼女らの為だ。

身寄りのない、不慣れな土地で、まだ高校生の彼らに出来る事は少ない。

折角俺が幸運に恵まれ、経済的に優位になっているんだ、少しは助けてあげないと。


だが・・・おや?前にも呟いた気がするが・・・・一方的に施しをしてしまっても、結局彼らのためにはならない。


矢張り自ら汗水かいて働いた事で得た報酬、これが無いと、後々困る。


・・・・とまあ、今はいい。


御国台の連中に任せたので、俺達は今王都に居る。


そして、国の偉いさん?よく分からないが、一度俺に領地を案内してくれる事となったので、早速出発する運びとなった。

だが・・・何故この・・・・同行者はフル装備なんだ?

何処へ案内しようとしてるのか?



徒歩で行くとか、馬車で行くとか、そんなナンセンスな事はせず、白河さんから貰った船で行く事に。

驚く案内の人。


ああ、王様にあげた船って、結局プライベートの物だから知らないのか・・・・


領地という事で、今回はノエラとヒルダにも同行してもらった。

佐和とイベッテは、子供同伴で乗り込んだ。


まあ、まだ歩けないから、大丈夫だろう・・・・


・・・・

・・・

・・


上空から進んで行く。

王都もティンドールも内陸の土地で、海岸線より100キロほど中にあるらしい。


何で海に面した場所に王都が無いのか?そう思ったのだが・・・・

これは暫く後に分かる事になる・・・・


上空から見る王国。

そう言えばまともに見てなかったよな?雲海とか言いながら、はるか上空へは行ったけど。


「しもんさま、凄いです。感動しました。」


ノエラが言う。

あれ?乗った事なかったっけ?


「もう好きにしてください、しもんさん!」


何故か抱きついてくるヒルダ。

三津枝に引き離されてる・・・・


そして・・・・お、海が見えてきた!


俺はここまで船で上空を飛んできたわけだが・・・・肝心な事を見落としていた。

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