第242話 イベッテの出産

イベッテの様子が変なので、聞くと、陣痛が始まっているらしく、間隔が狭くなってきているらしい。


なので、分娩室に移動する。


不安なのだろうが、俺は傍に居てやる事ぐらいしかできない。

それでも、旦那に傍に居てもらうと安心するのか、イベッテは落ち着いていた。


この部屋ではまだ死産はいない。

一緒に召喚された女性もここで皆出産を迎えたが、難産はいたが、概ね安産。

旋回異常が2人と、早産がいたが、経験の豊富な助産師というのかな?出産を手助けしてくれる、この世界の人に来てもらっていて、旋回異常も、どうやってかちゃんと生まれたようだ。流石に俺が他人の出産を見る訳には行かないからな・・・・え?どっちだって?

実施は助産師の腕を確認させてもらった。




こう言っては何だが、佐和の時は、既に何人もの出産があったので・・・・助産師の腕を確認するのにうってつけだった。


え?酷いって?他人の出産を見たのかって?

そう言うのは分かるけど、やっぱり妻には腕のいい人に見てもらいたいだろう?

それにだ、自分で手配すらできない輩には言われたくはない・・・・まあ、無責任な野郎共に、俺が怒りでつい言ってしまった訳だが・・・・

結果的には腕のいい助産師に、自分のパートナーを見てもらえたんだから、反論できない。


おい、そこの男教師、お前もだ!

もうちょっと色々役にたってくれよ・・・・

クランの拠点に居候してるんだからさ・・・・


召喚された人間の中には、自分が選ばれた・・・・選民?とか、意識高い系?と思い込んでいる輩がいて・・・・

言ってる事は立派だが、何もしないとか、人脈作りとか言いながら、どっかのパーティに参加しただけ・・・・みたいな?参加してどこぞの侯爵に会ったとか言うが、何か話をしたのかと聞くと、口を濁す。


よく聞けば、パーティで顔をちらっと合わせただけ。それで人脈作りと言われてもな・・・・


何とかこう言った奴にも頑張ってもらいたいのだが・・・口だけ・・・・アピールするもできない・・・・


はあ・・・・疲れたからもう関わるのをやめとこうか?

せめて現実的なアイディアを出してくれればいいんだけど・・・・


愚痴になったな。


そうだ、今はイベッテだ!


何故か控えの間には、王様をはじめ、王子さまや王妃様、イベッテの姉妹が集まっている。

王太子妃が・・・・おめでとう!彼女は息子を見事出産していて、後継ぎが産まれ、王国は安泰だ・・・・息子と共に来ていた。

もう首が座ってる?ようなので、連れてきたらしい。


あ、そうそう、船で来たんだよ。飛行船?


そんな中、下手なプレッシャーにならないように、イベッテには知らせずにいる。


そして・・・・破水し、いよいよの時が・・・・


・・・・

・・・

・・



今、イベッテは幸せいっぱいの表情で、娘を抱いている。

彼女に似て、将来は美人になるのだろうか・・・・お父さんは、結婚なんて許しませんよ?とかなるのだろうか?

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