第241話 オープンから数か月が経ったある日・・・・

 最初こそドタバタだったが、流石に装飾品がそんなに飛ぶように売れるはずもなく、一通り貴族のご婦人に行き渡ったようで、売り上げは落ち着いてきている。

 それとは真逆を行くのが服装関連だ。


 相変わらず仕入れてもすぐ売れる。

 こちらは消耗品なうえに、1人で何着か購入する必要があるからな。


 針子を増やしたが、今度は素材が足りない。

 これは・・・・綿を大量に栽培するしかないな・・・・


 絹も、相手が生き物である以上、生産にも限度がある。

 綿の場合、育つのに時間がかかる。


 何処かにでかい土地を用意し、そこで栽培するか・・・??


 ・・・・

 ・・・

 ・・

 ・



 あれから数か月、店は順調に発展し、今は王都の店は工場を全部店に改装し、新たに別の場所に工場を建てる事になった。



 クランでは・・・・出産ラッシュ。

 毎日のように赤ちゃんが産まれてる。


 異世界へ召喚されてしまってからもう1年以上が経過したんだな・・・・


 そして今、おれは佐和と共にいる。


 破水したのだ。


 クランの拠点には、医療用の部屋が用意してある。

 そして・・・・分娩室も。何せ妊婦だらけだったからな。


 分娩台もあるんだよ。

 驚きの異世界売買。

 医療従事者と登録したら、買えた。



 そして何でも売ってると思い、4Dエコー・・・・超音波検査機器も・・・・売ってた。

 マジですか・・・・と思ったが、実際使っても・・・・医者じゃ無いから今一分からない。胎児の大きさとか。


 まあそんな事はどうでもいい。


 佐和が無事出産してくれる事を願うのみだ・・・・


 ・・・・

 ・・・

 ・・

 ・


 結果は無事出産。

 安産だったみたい。


 佐和も比較的元気な様子。

 逆子だったり、旋回異常があったりすると、時間が長引くからなあ。


「よく頑張ったな、佐和・・・・」



「ありがとう・・・・士門さん・・・・いえ・・・・あなたというべきかしら?旦那さま?うーん・・・・困ってしまうわ。」


 まあ何でもいいんだけどな・・・・


 佐和が産んだのは、男の子だった。


「名前はどうやって決めようかしら?」


「2人で考えるか?」


「ええそうね・・・・ゆっくり考えましょうね。幸い時間は沢山あるわ。」


 この子が幸せに、そして健康に育ちますように、と願ってしまった。名前でそんな効果があればいいけど・・・・


 佐和は、翌日には普通に生活をはじめていた。

 まだゆっくり寝ていたら?と言うと



「ある程度動いておかないと、体型が元に戻らないから・・・・」


 骨盤とかに変化があるから、それを早く戻したいらしいが・・・・本当にそれで元に戻るのか?




 佐和の出産からさらにひと月ちょっとが経ち・・・・今度はイベッテの番だ。

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