第229話 イベッテの恐ろしさ

「じゃあ、今後士門さんとその家族の税はなしで。」


 凄い事を言う。


「ままっま待て待て、それはちょっと難しいぞ?」

「じゃあこの剣は素材に戻しますね。」


 ニッコリ笑うイベッテ。目は笑っていない・・・


「いやいやだめっ駄目だそれだけは勘弁してくれ!」


 必死に止めに掛かる伯爵さま。


「じゃあ今後の税を無税に、それが駄目なら・・・・大白金貨10枚ほどで。」


 大白金貨10枚って・・・・金貨1枚が10万円、白金貨1枚が金貨100枚、つまり1000万円。

 大白金貨1枚が白金貨10枚、つまり1億円。

 大白金貨10枚だと・・・・10億円?

 マジすか?

 しばらく悩んでいた伯爵さまだが・・・


「あくまで口田殿とその家族が無税、でいいのだな?」


「ええ・・・・クランメンバーは別にどうでもいいですから。」


 あっさり言い放つイベッテ。


「わかった!それで手を打とうではないか!」


 ・・・・交渉成立?


「話は終わったな?では、儂の方も剣を打ってくれるのだな?」


 何故決めつける?


「お父様・・・・対価はどうするの?」


 実の父親を容赦なく攻めるイベッテ。


 今までそんな一面を見せた事が無かったので、今日はどうしたのか?本当に驚く日だ。


 返答に困る王様・・・・


「うぐ・・・・やはり税を・・・・」


「婿なのですよ?こうもっと、応援と言うか、支援と言うか、そのような事をしてましたか?今がチャンスなのですよ?」


「む・・・・じゃあどうだろうイベッテ・・・・王族としての地位と、その、なんだ・・・・勿論、税金は取らんぞ?それに・・・・そうだ、あれだ、爵位だ、爵位を与えるのはどうだ?」



 今まさに思いついたかの様に言う王様。


 王族としての地位と爵位・・・・貰っても微妙だな・・・・


「もちろん全部貰いますが、まさか責任だけ押し付けるつもりじゃないでしょうね?」


 さらに追い込むイベッテ・・・


「う・・・・じゃあ・・・・宝物庫から何かいる物を・・・・それにそうだな・・・・一等地に土地を与えようか?今ある土地以外に、いい土地をさらに持っていれば、何かとその商売に有利になるぞ?」



 見るからに大汗を流す王様。


 ため息をつくイベッテ。


「はあ・・・・仕方ありませんね・・・・これぐらいで許してあげますよ、お父様。あ、素材のインゴット、もっとあるなら沢山下さいね?」


 容赦ないイベッテ・・・・・どこまで父親に厳しいんだ?


 王様も泣いていた。


 最後に・・・・親方・・・・


「ガエル親方は・・・・まあ士門様に精霊剣を差し上げていますからね・・・・今回は、見学を許してあげますよ。」


「おお!感謝いたしますぞ、イベッテ様・・・・」


 親方は何も無かったので、感謝の涙を流す。


 これでいいのか?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る