第225話 そんなはずでは・・・・

色々ミスった・・・・


酒は・・・・ちょっとね・・・・佐和に飲んでもらう時に、色々探して、気が付いたら、これ、いいじゃないか!とポチったやつ・・・・

一緒に飲んだワインは・・・・お洒落なボトルに入っていてね・・・・



そして・・・・ダイヤモンドとか、カットが怪しいよな、と思って、宝石はパス。無難な?真珠にしたら・・・・粒がデカすぎた?


そして剣・・・・

もうバレてる?


今更隠しても・・・・か?


俺は背中に大量の汗が滴り落ちているのを感じながら・・・・さらにやらかし、ドツボにはまる事になる・・・・


「そ・・・・そんな凄い・・・・剣じゃないですよ?あ、そうそう、これ・・・・貰った剣だけど・・・・・これに比べれば、まだまだな剣ですよ?」


止せばいいのに、正常な判断が出来なくなった俺は、白河さんから貰った、おっさんソード(仮)を見せる。


「ほう・・・・まだあるのかね・・・・しかも・・・・空間魔法の効果のあるカバンか?」


あ・・・・しまった・・・・つい出してしまった・・・・カバンから。

確か貴重なんだったよな・・・・?

貴族を前に軽率だった・・・・


「こう見えて儂は剣に目が無くてのう、かつて冒険者として数多の武具を見てきたから分かるが・・・・・え?何だこの剣は?うん???こ・・・・これは・・・・?噂のシラカワソードではないか!しかもナンバー付き!」



ああああ!しまった・・・・あの剣、知ってる人からしたら、物凄い価値があるとか・・・・誰か言ってたな?王様だったか?王太子だった?ギルドの誰か?いかん・・・・思い出せない・・・・


俺が思考を混乱させている隙に、伯爵さまが目の前に音もなく近付き、肩を掴んでくる。


「どうやって手に入れた・・・・?確かシラカワ氏はセアリアス帝国・・・・つまり此処から遠く離れた別大陸に住んでいると聞く。ナンバー無しのは・・・・金と時間をかければ手に入らない事も無いそうだが・・・・ナンバー付きは・・・・ほとんど出回ってないと聞く。儂も見た事が無い・・・・何故だ!」


うう・・・・目が凄い・・・・これが目力とか言う奴か?


「ど・・・・同郷なんですよ・・・・同郷のよしみで・・・・貰ったんです・・・・」


「何!同郷だと・・・・?噂では、辿り着けぬほど遠く離れた異国の地と聞くが・・・・その方、まだ何か貰っておるだろう!見せてくれ!」


「ああ・・・・ええと・・・・乗物・・・・貰いました・・・・」


しまった・・・・思わず迫力に押され、言ってしまった・・・・


「ほう・・・・乗物と申したな。ここでは何だ・・・・外へ行こうか?」


俺は心で泣いて、外に連れて行かれた・・・・


・・・・

・・・

・・



「これは・・・・船なのか?」


白河さんから貰ったクルーザーを出す。

流石にお付きの護衛も乗り込んできて・・・・思わず伯爵さまご一行を乗せたまま、暫く空を飛ぶ。


戻ってから・・・・無言の伯爵さま。


終わった・・・・権力者に知られて・・・・自らバラしてしまった・・・・

もうこの地にはいられないな・・・・白河さんの所へ行くか・・・・?



そう思っていると、伯爵さまは別の場所へ俺を連れて行く。


館から離れ・・・・

何やら工房?に連れてかれて・・・・音がうるさい・・・・げ!鍛冶場だ・・・・と・・?


「口田殿!色々見せてもらって、わしが忘れておると思っておるであろうが、そうはいかぬ!あの最初に見せてもらった剣!そなたが打ったものであろう!シラカワソードに引けを取らぬ完成度、一度目の前で作って見せろ!!さあやれすぐやれ今すぐにだ!!」


おれはその勢いにたじたじになり、思わず槌を握ってしまった・・・・・


どうしてこうなった?少し前の俺を恨めしく思ってしまった・・・・

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