第214話 治療が成功していた

「心配かけたな・・・・」


俺がつぶやくと、それぞれが反応する。


泣いたり笑ったり、叩いたり。


そんな中、1人見慣れない女性がいる。


誰だろう?


目の前の女性は・・・・ものすごく短い髪形・・・ボーイッシュとかそういうレベルじゃない。

本当に短い。


俺より短い。そして、たぶんプラチナ?シルバー?

短いから分からないけど、たぶん奴隷商のノエラと同じ色。


そうか・・・・俺が治療してたのは彼女か。

目の前にいるという事は、治療は成功したんだよな?


俺は安心したのか、目を瞑ってしまった・・・・周りがうるさいが、眠い・・・・


・・・・

・・・

・・


お腹が空いた。


俺は目を開ける。


シビルが椅子に座って寝ていた。

俺はベッドで寝ていたようだ。

そして、反対側には、ソファがあって、そこでは俺が治療をした?女性が寝ていた。



そっと起き上がる。


踏ん張りがきかないが、何とか歩ける。

俺はシビルをつつく。目を開けるシビル。

俺はシーっとジェスチャーでシビルに示し、ドアの方を指さす。


シビルは俺を支え、連れて行ってくれる。


ここはどうやら王都の拠点のようだ。


リビングに向かい、ソファに腰かける。


「士門さん、もう起きて大丈夫なの?」


「ああ、今は大丈夫。」


「今軽い食べ物と飲み物用意するから、ちょっと待ってて。」


そう言って消えるシビル。

するとすぐに他の4人がやってくる。


「心配かけたな?」


「このまま起きないんじゃないかと思いました・・・・」


イベッテが答える。


「無茶しすぎ。」


ちょっと怒りながら三津枝がしゃべる。


世津と佐和はキッチンに向かい何かしてくれてるようだ。


・・・・

・・・

・・



俺は倒れてからの事を確認した。


治療した彼女だが・・・・名前をヒルダ・ウルジュラ・ボスハールトといい、年齢は19歳。


治療は成功し、四肢の欠損はすべて怪我の前の状態に戻ったとの事。

怪我はすべて綺麗になった。目も見えるようになり、声も出せる。




健常者になったそうだが・・・・どうやら彼女、脂肪が殆ど無くなってしまったらしい。


以前は豊かな胸の持ち主だったらしいのだが、今は見る影もなく、まな板?状態。

お尻の脂肪もほとんどなく、今ようやく復活しつつあるらしい。


四肢の欠損を補うのに、身体の脂肪が使われた?


そして、以前は三津枝より背が高かったらしいのだが・・・・

何故か背が小さくなり、ほぼ俺と同じ身長らしい。


で、俺は気を失い、1週間ほど起きなかったらしい。


その所為か、すっかり筋肉が弱り、まともに歩けない。


そのうち回復するだろう。


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