第213話 身体が動かない・・・・

あれ?俺何してたんだ?


そうだ、あの哀れな娘の治療をしてたんだっけ?


で・・・・どうなった?


もしかして、途中で気絶しちゃった?


そうなら、もっと診てあげないと。


そう思い、起き上がろうとするけど・・・・あれ?起き上がれない?

うん?というか・・・・動けない・・・・?


どうなってるんだ?


声も出ない・・・・


目を開けられないな。

音も聞こえない?


おかしい。


ナビちゃんに問いかけても・・・・反応が無い。

どうなってるんだ?


・・・・

・・・

・・


「・・・・た?・・・・あなた?どうしたの?」


うん?


ここ何処だ?


「何寝ぼけてるんですか?今日は運動会ですよ?早く行かないと、いい席埋まっちゃうんだから。」


ああそうだった・・・・今日は運動会。

息子はもう4年生。

立派になったもんだなあ。


うわ・・・・何これもう場所ないんじゃない?

後ろの方に空いてるスペースがあるので場所を確保。


お、息子が走るぞ?


あれ?息子ってどんな顔してたっけ?

足速いんだっけ?


・・・・ちょっとあなたどうしたの?


・・・・誰だっけ?顔が思い出せない・・・・


・・・・うう・・・・頭が割れそうだ・・・・


【・・・た・・・・・・かり・・・・ま・・・・気を・・・・】


うん?何だ?何か思い出せそうな?


【ますたー・・・・わかる?ボクだよ、ロンダーヴ。】


なんだっけロンダーヴ?


【意識をしっかり持って!ボクを見て!】


うん?む・・・・・なんだ?・・綺麗な顔だなあ?


【へ?まあそれはいいんだけど、ボクが分からない?】


・・・・えっと・・・・思い出そうとすると、頭が痛むんだよロンダーヴ。どうした事なんだ?

うん?ロンダーヴって誰だっけナビちゃん教えてよ?


”マスターの使役している精霊さまですよ。私の上司に当たるのですけど、そろそろ思い出して下さい。”


・・・・・・う・・・・え・・・・ぎ・・・・ぼ・・・


ああ?ここ何処だ?何してたんだ?ナビ聞こえるか?


”思い出しましたかマスター?”


思い出したも・・・・俺何か変だった?


”かれこれ1週間寝込んでますよ?”


え?いかん・・・・そう言えば、起きられないんだ、何でだ?


”ロンダーヴさまにお繋ぎします・・・・”


【ますたー?やっと繋がった!魔力の使い過ぎと、スキルの異常な使用で、暴走しかかってたんだよ?】


なんですと?


今は大丈夫なのか?


【うん・・・・もうすぐ覚醒しそうだからね、起きられると思うよ?】


覚醒?なにそれ?あ・・・・


・・・・

・・・

・・


俺は目を開けた。

心配そうに見つめる6人の女性。


「心配かけたな。もう大丈夫だ。」


俺は起き上がる。

慌てて佐和が補助してくれる。


あれ?何で6人?

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