第205話 正妻とは?

「正妻ですか?士門さんの場合、全員本妻ですから・・・・代表夫人の事でしょうか?」


なんじゃそりゃ。


「代表婦人って何?」


俺がイベッテに聞くと、

「夫人同伴の式典やパーティに出る妻の事ですよ。全員連れていけませんから、複数の妻がいる場合、1人だけが同伴するのです。」


なるほどそんな考えがあるのか。


「じゃあ第一夫人がなるのか?」


「いいえ、そこはまあ、話し合いになりますが、基本的には・・・・最初に関係を持った妻、ですね・・・もしくは社交性のある夫人。」


・・・・全員佐和を見る。


「あら?私ですの?確かに・・・・この中で士門さんと、最初に関係を持ったのは・・・・私ですね?」


佐和が俺に確認してくる。うん間違いないぞ。


「最初は佐和だ。間違いない。」


「じゃあ佐和さんに決定という事で。」


イベッテが勝手に仕切る。いいのかそんなので?


「私に務まるでしょうか?」


「佐和なら問題ないだろう?」


「では皆様方、私が・・・・代表夫人?でいいのかしら?」


結局よく分からないと言うので、佐和に決まった。まあ佐和ならスタイルもいいし、胸もこの中では一番だし・・・・問題ないだろう。


こうして決まったが・・・・これから店の商品の具体的な取り決めが待っている。


衣料の・・・・出来上がった下着や服は、複数ある物は一度分解して、型紙を作ったりしている。

型紙が無いと、布の裁断が難しいらしい。俺は知らんが。

それと・・・・綿やら麻やら、そして化学繊維、はたまた動物の毛・・・・ウールとか、これ等を用意し、糸を紡ぎ、布を織らないといけないのだが・・・・ここで躓いていた。

俺の持っているスキルで、正直な所、下着も手に入るし、布も手に入る。

だが・・・・俺が考えてるのは、現地の雇用、そして・・・・現地調達の素材で布を織りあげ、服を作る、メイドイン異世界だ。

メイドインジャパンを当たり前に導入してしまうと・・・・俺が死んだら、残された人が困るからな。


そして・・・・ここで三津枝のスキルが役に立つ時が来たらしい。今まで使わなかったスキル“採取”だ。

実は俺も持ってない。

このスキルがあれば、上質の素材が手に入る・・・・らしい。例えば魔物を仕留めたとして、毛皮をドロップしたとする。この時採取スキルがあれば、持ってない人より数段・・・・レベル分?良い素材になるらしい。

また、薬草などの採取にも役立つようだ。


これは・・・・薬を作る時の品質に関わってくるが・・・・よれよれの、傷みまくってる草よりも、みずみずしい、採取したばかりの傷みのない草、同じ種類なら恐らくは、後者の方が良質の薬を作成できるだろう・・・・


こうして、三津枝を中心として、素材集めを開始する事となった。

因みにイベッテは、衣料関係の職人集めに尽力してもらってる。

シビルは・・・・薬草を見つけた場合、即、薬を作ってもらう準備をしている。

薬も作っておいて、売る・・・・らしい。へ?いつの間にそんな事決めてたっけ?

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