第197話 シビルとの婚約

しまった・・・・

俺は、順番を間違ってしまった・・・・


佐和とイベッテはその・・・・先に指輪を渡していたんだが・・・まだ渡していない・・・・

昨日は俺おかしかったしな・・・・色々記憶がないんだよ。


そして・・・シビルを見れば一目瞭然。

俺の腕を取り、離れない。



「士門~チューしてー」


・・・・誰だこいつ?


仕方ない・・・・渡す方法は考えよう。できればいいムードで渡したいからな。


そう思ってると、下に小さな湖があり、周りは森に囲まれて


それを見たシビルが、

「士門、あそこに降りていい?」


そんな顔で聞くなよ・・・・



「分かったよ、降りてみよう。」



降りると・・・・自然豊かな原生林?に小さな湖があり、着水をする。


「私・・・こんな雰囲気が好き。」



エルフは自然あふれるこういった場所に住んでいるんだっけ?



デッキから岩場に飛び移るシビル。

大丈夫か?苔があるけど、足滑らないのか?


どんどん進んで、湖と地面の境に来た。


静かだ・・・・時々鳥のさえずりが聞こえる他は、特に音もしない。

空気も澄んでいて、気持ちがいい。


そして、この場に立っているシビルは・・・・今までで一番きれいだった・・・・

多分自然体のシビル。あれが本来の姿なんだろう・・・・


俺はシビルに跪き、懐から小箱を取り出し、開ける。


そこには・・・・シビルに似合いそうな、指輪と、俺が付ける指輪が。


俺はそっとシビルの手を取り、見つめる。



「シビル、キミは・・・・エルフだ。俺達と違い、その信じられないぐらい奇麗な姿と、長い時を生きる長寿な生。俺は迷ったが・・・・シビル、君の気持に応えたい。俺と結ばれてくれるなら・・・・この指輪をはめてほしい。」


そう言うと、シビルがそのまま指輪を受け入れてくれる。


「士門、嬉しいわ。ちゃんと貴方が死ぬまで一緒に居てあげる。これから私の夫として・・・・」


俺は辛抱できず、シビルを抱きしめ、キスをする。

先に俺が死ぬだろう。だが、今はそんな事を考えられない。

俺は細いシビルの腰を抱き、お互いの体温を確かめるように強く抱きしめる。


「うれしい・・・・」


この日から、3人目の妻として、シビルが加わった・・・・


やったよ佐和、イベッテ、私も結ばれたよ!


うん?何か聞こえたような気がするが、気のせいか?


この後、何か忘れてるような気がしないでもなかったが、クランの拠点へと戻るのだった・・・・


・・・・

・・・

・・


佐和が迎えてくれる。


「しもんさんお帰りなさい、上手くいったのかしら?」


うん?何がと思うと、

「ワイバーンの討伐ですよ?」


ああそうだった・・・・


「解決したよ?」

覚えてないけど。

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