第191話 商人と冒険者達

「しもんさん、何時の間に召喚なんてスキルを手に入れてたのかな?」


シビルの突っ込み。


うん・・・今手に入れた・・・・ちょっと気になる事もあるけど、今はいいか・・・・


「それより、商人達はどうなってるんだ?」


シビルに聞くと


「人間如き、知らぬ!」


いきなり怒る・・・・いや、シビルの人嫌いがさく裂した?


「いや、この際言っておくけど・・・・シビルが人を嫌うのは良い、だが・・・今はギルドの依頼で、ワイバーンの討伐と、襲われた人の救助をしないといけない。君も冒険者のプロなら、そこはきちんと区切りをつけてほしい。」


ちょっときつく言うと、シュンとなる。


「だって・・・・あの商人・・・・私の尻ばかり見るんだ・・・・胸は、素通り・・・・」


・・・・仕方ないよね、胸は・・・・尻はね、そんな格好してれば、シビルはとんでもなく美人だし、男なら見ちゃうよ。


「それにあの冒険者共は・・・・私の足と顔ばかり見る。胸は素通りだ・・・・」



いや・・・どんなけ胸にコンプレックス抱いてるんだよ・・・俺はそんな胸でも全然okだよ?


「シビル、キミは自分の格好が男にどのように映ってるのか、きちんと認識したほうがいいよ・・・・」


「見知らぬ男の為に、衣装を改めろと言うのか?」


食ってかかるシビル。


「・・・・その事は、2人になってから話そう。今は、キミが嫌がっても、ギルドの依頼だ、分かるね?」


シビルは俺を睨んだ後、表情を和らげる。


「じゃあ考えを改めれば、何かしてくれるのか?」


今日はよく食いつくなあ?


「わかった、俺のできる範囲でシビルがしてほしい事を何でもしよう。」



シビルがせめて、人に対して、むき出しの嫌悪感を見せなければ、何か、希望があれば、俺に出来る事だったら、何でもするよ。


俺はこの時、安易に何でもするよって言ってしまった事を、ある意味で後悔する事になる・・・・


「わかったわ。商人達は、大丈夫よ・・・・自分達でケガの治療をしている。」


見ると、確かに怪我の治療をしているようだ・・・・


俺が商人に近付くと、


「ひっ!」と言いながら、後方へ逃げる。


そして、冒険者たちが前に出てくる。


リーダーらしき1人が、俺に剣を向け、


「貴様何者だ・・・・俺達をどうする気だ?」


・・・・何か勘違いをしているようだ。


「なあ、いきなりそれはないんじゃないか?俺はギルドからの依頼で、ワイバーンにこの辺りが襲われているという事件の解決に来たんだが・・・・」


なおも警戒する冒険者達。


シビルが割り込んでくる。


「これだから人間は・・・・見ていただろう?ワイバーンを召喚した男は、しもんさんのスキルにより死んだ。つまりお前らはしもんさんに助けられたのだ!それを何だ、その剣は!それが助けてもらった人に対する態度なのか?」


美女に凄まれて、顔を見合わす冒険者達。


すると、1人の冒険者が、


「いや、そこのエルフの女性の言う通りだ、折角助けてもらったのに、恩を仇で返す様な態度を取ってしまった事を、申し訳ないと思う。すまなかった・・・」


ありゃ?あっさり謝ってきたぞ?


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