第181話 悲しい売られ方

この2人は、仲間に裏切られ、売り飛ばされた・・・たぶん。


で、次に紹介されたのが・・・・


せつ達と同年代か、少し下の、娘だった。


「私は・・・・父に売られてしまいました。酒代欲しさに・・・です。」


うわ・・・・酷いなこれ。


「私嫌なんです。だけど、金になるからと、無理やり性奴隷としての扱い。まだした事ないのに、知らない人とするのは嫌・・・・」


「このような娘は、よくある事でございますよ、口田様。」


・・・・よくあるって・・・・どこにもいるんだな、クズ親って。


次に会ったのは・・・・ある家族だった。


「私が仕事先で大けがを負ってしまい、家族が借金して、治療をしてくれたのですが、返済できるはずもなく、しかも高額だったため、家族全員奴隷になってしまいました・・・・」


うーん・・・・


そして、ギャンブルのせいで奴隷落ちした男もいたが、そもそも理由が理由だけに、論外だな。


また、彼に売られたという娘もいたが・・・・いまだ彼を信じているようで、現実が分からない娘も厳しいな・・・・


そして、1人部屋でうずくまっている・・・・女性?がいたが、ノエラさんは素通りしようとしたので、聞いてみる。


「あの女性は?」


「あれは売り物ではございません。顔に大きなけがをしており、目が見えませぬ。四肢も一部欠損いたしておりますし、しゃべれませぬ。」


・・・・ひどいな・・・・なぜこうなった?そして何故ここにいる?


「彼女は人狩りに遭い、このような姿になってしまったようです。元はたいそう美しい娘だったようですが、これでは・・・・」


彼女の顔は、火傷と裂傷で酷い事になっており、怪我をした時に目をやられたようだ。喉も怪我のせいで、声が出せなくなったようだ。


右手の指が2本しかなく、左の太ももから先が無くなっていた。


可哀そうだが、俺に出来る事はないな・・・・


・・・・

・・・

・・



俺は、また来るとノエラさんに伝え、この場を去った。


そして、相談できる場所を求め、移動をし、とある食堂へ向かった。


「どう思う?」


俺は2人に聞く。


「酷いですわ。ノエラ商会での待遇は良さそうでしたが、制度自体が何とも・・・・それに・・・あの女性・・・・まだまだこれからでしょうに・・・・」


「まあ仕方ないよね?よくある事だし。」


以外にもイベッテの反応はそっけなかった。


「この都市にも、ひどい場所はあるのよ?私達が過ごしている場所は、裕福な人たちが過ごしていて、治安もいいけれど、少し離れると、そこは悲惨な生活が待っている・・・・さっきの娘を売った親なんてかわいい方。日常的に殺人や犯罪が行われているの・・・・」


・・・・俺達はまだ、この国について知らない事が多いな。どうしたら良いんだ・・・・?俺に出来る事はあるのか?

金があるとはいえ、全員を助ける事などできまい・・・・・

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