第180話 浴衣美人

「ねえ士門さん?浴衣だわ・・・・?」


佐和がつぶやく。


「そのようだ・・・・それに、気になっていたんだが・・・・建物、和風な感じがしないか?」


「そうね。瓦っぽいのが屋根にあるわ。庭にも・・・・石でできた灯篭かしら?それっぽい庭ね。日本風な感じがするわねえ。」


「そうなのですか?もしかして・・・日本というのが、士門さん達の住んでいた国なのかな?この建物、異国情緒な感じがして、風変わりで目立つのよ?」


誰か日本人がいるのだろうか、この辺りに。


そんな事を話していると、ノエラさんが、


「この建物,ユカタ、これ等がお分かりになられるとは・・・・さて、口田様、本日は商品・・・・奴隷をお見せいたしましょうか?」


「そうだな・・・・実際どんな扱いか知らないし、見せてくれるかい?」


「畏まりました。どのような奴隷をご所望か、お聞きしても宜しいでしょうか?」


考えてなかった・・・・どうしよう?


「奴隷はどういった扱いまで許されるのかしら?」


佐和が聞く。


「危害を加えなければ、問題ございません。そうですね・・・・女性を犯すのも駄目でございます。ただ、性奴隷としての登録を行った女性であれば、問題ございません。」


・・・何だよ性奴隷って?


「・・・・女性が借金を早く返済する場合、性奴隷としての扱いを飲めば、通常の奴隷の半分の期間で済みます。」


うわ・・・・


「当方の商品の性奴隷でございますが、大半が娼館での奉仕作業を行っております。」



娼館?奉仕作業?


俺には・・・・佐和とイベッテがいるから・・・行かないが、やっぱあるんだ、性サービスのお店。


そして・・・・そう言うのは間に合ってるから。


「ああそうだ・・・・店を開こうと思ってる。店の・・・・店員として働いてくれる人が希望かな?あとは・・・・色々作る予定で、そこで働く人も欲しいかな?」


「承りました。そういう事でしたら・・・・こちらへ御越し下さいませ。」


俺達は、ノエラさんについていく。


・・・・

・・・

・・



奴隷というから、ひどい場所にいると思いきや、清潔な部屋にいた。

そして身なりも、綺麗な服を着て、清潔そうだった。


そんな中、いかにも冒険者といった装備を身に纏う男女がいた。

ちょっと興味があり、声をかけた。



「えっと、君達はどうして奴隷になったんだ?」


すると、女性の方が


「仲間が怪我をしてね。結構重傷で。その治療に掛かった費用が払えず、気が付けば・・・私達、リーダーに売られてしまったんだよ。」



「仕方ないだろう?あのまま放っておけば、死んでたんだぞ!」


「でもねえ?結局あの雌ブタ、私達を売った金で遊び歩いているとか。治療を本当にしたのか気になるよ・・・・?」



あーそれは・・・・君達のリーダーが・・・金欲しさに騙したのかあ・・・

なんともはや・・・・・


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る