第165話 2人の絆

佐和の左手には、指輪がはまっている。婚約指輪だが、結婚後も着けてもらう事になっている。

別のを渡せって?


中々付与の付いた指輪を作るのは大変なんだよ。


「士門さん、私、理想がある意味高すぎて、今までこんなだったのね。そんな中、士門さんと知り合えて、今日を迎えられて、今までで一番幸せを感じてるわ。私を選んでくれてありがとう。しかも5人の中で最初って・・・・」


「うん。もし・・・・1人だけ選べと言われても・・・・佐和だったろう。」


「嬉しい・・・・ねえ士門さん、私ね、初めては、有名なホテルで相手とワインを飲みながら食事をして、夜景の見える部屋で・・・・って思ってたのよ?それが・・・・理想とは違うけれど・・・・それ以上の出来事だったから、感激なのよ?だって・・・・空を飛びながらお互いの気持ちを確かめ合い、プロポーズは湖の上で、とんでもなく高級なクルーザーの中で、夕焼けがあまりにも幻想的な時で・・・・ベッドでも、凄くいいムードの中、初めてを迎えられたわ。こんな幸せな女性って他にいるのかしら?」


「俺も正直佐和にここまで、できるとは思ってなかった。異世界に飛ばされ、絶望感しかなかったが、今となっては女神に感謝しないといけないな。」


「そうね。女神様に感謝、ね。」


【うう・・・・甘い甘い砂糖が甘すぎ!何でボクが、食事を用意したりしないといけないの?船の操縦もボクがやってるんだよ?それに2人のベッドでの濃厚なあんなのを見せつけられちゃうし・・・・血で汚れたシーツもボクが片付けるんだよ?それに・・・・変な臭いもする・・・・】


ロンダーヴが一部始終を見ていたのに気が付かない2人だった・・・・


・・・・

・・・

・・


昼過ぎに、俺と佐和は皆の所へと戻ってきた。


船から降りると、歩きにくそうにしながらも、嬉しそうに皆に報告している佐和。

ああ・・・・他の4人の視線が、嫉妬ではなく、佐和を祝福してくれていてよかった。嫉妬なら・・・修羅場だからな。


だが・・・・何か次は誰?みたいな雰囲気になっているのが怖い・・・・


この後、俺と佐和は1週間、新婚旅行?に出かけた。正式に結婚はしてないが、先に行ってきなさいとイベッテからの提案だった。

シビルもそうすべきという。

せつとみつえは分かってないけど、きっとこちらの世界では常識なんだろう。


こうして?クルーザーで1週間、佐和と2人で色々と回る事になった。

【ボクもいるんだよ?3人だからね?】


うん?何か突っ込みが聞こえた気がしたけど、気のせいか?


後に佐和が語った所によると、この1週間、プロポーズを受けてからの話だが、この時が一番幸せを感じたらしい。あ、女としての。


後には、家族としての幸せに変わっていったと言ってるから、幸せの質が変わったんだろうな。


更に王太子が、5人も妻を娶ると、最初はいいが、後に大変な事に・・・干からびるぞ!と指摘を受けた。

心得ておこう・・・・

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