1人でダンジョンへ

第157話 1人でダンジョンへ

 何も考えず、ひたすら進む。

 腹が減ったら異世界売買で食料を買い、眠くなったら隠蔽スキルを使用し、安全そうな所で休む。

 汚れたら魔法で綺麗にし、そこらで便を済ます。

 一体あれからどれだけ時間が経ったのか、もう数えていない。

 そしてあらゆる魔物を、遭遇した奴はすべて殺した。


 ”ジェネラル””キング”と分類される個体にも遭遇し、殺す。

 魔石と宝石、小さなドロップアイテムはリュックに入れる。

 あと、何故か異世界売買で売れるので、持てない物は売った。


 ・・・・

 ・・・

 ・・

 ・


 そして・・・・気が付けば、深層と呼ばれる、ダンジョンのかなり深い場所へ辿り着いていた。


 今俺の目の前には、S級パーティーらしい4人組がいる。

 リーダーはクィンシーと名乗った。

 俺が名前を名乗ると、


「お?お前二ホンとか言う所から来た異世界人か?」

「何故そう思う?」

「ああ、小次郎・・・シラカワのおっさんから聞いているからな。数か月前にあいつの好い人に部下がいてな、そいつのミスで召喚された連中が居るってな。」

 ・・・・何者だこいつ?


「ああ、そう言えばお前の持っている剣と服、シラカワのおっさんが作った奴だろう?」

「何でわかるんだ・・・・?」

「ほれ、俺の剣だ、見てみろ。」


 クィンシーは俺に迷いなく剣を差し出す。

 受け取る俺。

 そしてミルと・・・・あれ?俺の持っているのとそっくりじゃないか?

 俺は自分の剣を取り出し、並べて見る。

 そっくりだ・・・・

 剣を返し、受け取るクィンシー。


「わかってもらったようだな?」


 警戒を解いた俺に他の3人が声をかけてくる。

 驚いた事に3人のうち1人は、白河さんの奥さんらしい。


 ・・・・

 ・・・

 ・・

 ・



「ああ、ギルドには残ったS級パーティーは問題ないと伝えてくれ。もう一つは俺達より強いぞ?なにせ勇者・・パーティーだからな!あいつら・・・・勇者とその幼馴染は・・・・俺達よりレベルが高いからな。」


 勇者だと・・・・?しかも、この人レベル10。それより高いだと?


 驚く俺に、俺の考えが分かってるのか、更に言うクィンシー。


「そんな驚いてもなあ?あんた召喚された時、女の勇者候補もいたんだろう?」


「よく分かったな。」


「伊達に長い事冒険者として最高ランクに居続けてはいないさ。」


 その後、5人で食事を・・・・そして、ダンジョンで拠点にしてる場所で寝てもいいと言ってくれた。

 そして・・・・


「なんだ?おっさんに貰ったカバン、クランのメンバーに渡したのか。じゃあこれ持ってけ。」


 そう言って、カバンを渡すクィンシー。


「いいのか?」


「ああいいさ。それより、一度白河さんの所に顔出してやんなよ。なんだかんだ言って同郷の奴を気にするからな、奴は。」


 俺はクィンシーが拠点で教えてくれたゲートに向かい、入る。

 疑わずゲート使うとは、俺も大概だな・・・・?


 そして、出た先では・・・・


「おや?何故このゲートで貴方が現れるのですかな?」


 また会った・・・・ジスランとかいったっけな?


 こうして俺は、再び白河さんの所へやってきたのだった。

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