第143話 女神の尻拭い

「なあ、なんで俺達が女神とやらの尻拭いをしなくちゃいけないんだ?」


納得していないのか、文句を言うクィンシー。


「まあまあ、クィンシーさん、そこはほら、シラカワさんの・・・・パートナー?の部下のミスをどうにかしたいとの希望なんですから?」


そう言うのはリューク・キッケルト。

彼の方が肉体年齢は年下なのだが、立場は・・・叔父である。


「鼻たれ小僧なのは、まだまだみたいね?」


そう言うのはリュークの妻エリザヴェータ・リーネルト・キッケルト。彼女はクィンシーの父親の妹。だが、肉体年齢はやはり彼女の方が若い。


「お姉さま、その阿保は捨ておきましょう。」


エルヴィーラは兄に対し辛辣である。


彼らは4人パーティ。そして、本当の目的は・・・・鉱物を見つけるのは、目的だが、それはあくまで過程。

本当は、その鉱物により、歪められた空間を発見する事である。


今回の女神の失敗の原因の可能性があるからだ。


そして・・・・彼らは全員レベル10。

キングですら余裕で仕留める事が出来る。


そんな彼らだが、士門達と会う事があるのだろうか・・・・?


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


クラン”御国台”は1人も欠ける事なく、戦闘をこなしている。


かれこれ今回だけで10体ほどのキングを討伐。

そして・・・・生きている冒険者の発見はゼロ。

やがて彼らは上層最後の階段、これを下れば中層という所にいた。


「やはり冒険者の生存者は、この辺りにはいないみたいだな。」


俺はパーティメンバーに声をかける。


正直クタクタなんだが、魔物が襲ってくる以上、対応しないといけない。


「そうですね!もうこの付近に生きているのは、私達だけです。」


索敵の使えるシビルが答える。


「しもんさんどうしますか?このまま階段を降りるのか、一度帰還をしますか?」


せつが聞いてくる。


「うーん・・・・微妙だな。安全な場所にゲートを設置して、一度帰ってもいい気がするな。」


俺がそう答えると、さわが


「そうですわね・・・・しもんさんの負担が大きいですし、一度戻ったほうがいいかしら?」


さわが意見する。


「風呂に入りたいし、お腹もすいた。戻るべし。」


みつえは食べたいのか。一度戻るか・・・?


「しもんさん、先程の部屋が安全地帯です。向かいますか?」


イベッテが提案する。一人だけでも色々知っている人がいると、安心感が増す。


俺達は結局、一度地上へ戻る事にした。


少し戻り、安全地帯?というのがダンジョンのあちこちに存在しているらしく、この部屋っぽい場所もその一つらしい。


しかしイベッテは、地図を見ずによく覚えてるな。

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