第134話 エルフのレンジャー
キングに集中していると、俺の背中に何かが飛んでくる。
『マスター、背後に人が飛ばされこちらにぶつかる!』
ナビが割り込んでくる。
今までそんな事が無かったので、何事かと思い振り向くと、目の前に人が飛んできた。
咄嗟に受け止める。
が、勢いが強すぎて、そのまま目の前にいるミノタウロスキングにぶつかる。
ぐ・・・・いてえ・・・・
装備している服は確かに色々な付与と、切りつけに対しては強いが、直接殴られたりすると、ある程度衝撃が残る。
今回は前と後ろに衝撃が来た所為で、肺の中の空気が一気に抜ける。
幸い?な事にミノタウロスキングもそのまま倒れてくれ、追撃が無かったのだが、目の前に吹き飛んできた人を見て、思わずハッとなった。
小柄な女性。防御力はあまりなさそうな、動き重視?これはレンジャーか?見た所武器は持っていないようだが・・・・
しかし、俺が目に付いてしまったのは、その美貌だ。
一言で言えば、顔が整いすぎている・・・・完璧な造形美だ。
そして・・・・少し耳がとんがってる?
エルフとかいう種族が存在してるのか?
見るとエルフがこちらに気が付き
「下郎が、人間風情が気安くハイエルフに触るとは何事か!」
いや・・・・あんたがこっちに吹っ飛んできたんだが・・・・
「言い訳は聞きたくない!・・・?人間風情が・・・・うん?貴様・・・・何故精霊様が・・・・?」
そう言ってくるエルフ?の女性。あ・・・・やば!
「危ない!」
俺は咄嗟にエルフ?の女性を抱きかかえ、横へ飛ぶ。
すると、起き上がったキングが、先ほどまで俺達がいた場所へ斧を振る。
あんなの当たったら、服は無事だが、絶対骨が折れるぞ。
女性を抱いたまま転がる俺。
最後は女性を下に、俺が上で押し倒す形だ。
しばし2人で見つめ合う形に・・・・
「後ろ!」
女性が叫ぶ・・・・
咄嗟に女性を突き飛ばし、振り向く。
斧が振り落とされる。
間に合わない!
咄嗟に左腕で受けてしまう。
嫌な衝撃が、痛みが来る。
うぐっぐぐーーー
右手で腰に付けているダガーを取り出し、再び斧を持ち上げて無防備な態勢のミノタウロスキングの首へ投げる。
首に刺さるダガー。
動きの止まるミノタウロスキング。そこへ横からみつえが剣を突き刺す。
何時の間に?
倒れるミノタウロスキング。
どうやらせつ達がキングを仕留めたようだ。
俺は起き上がり、ダガーを回収。
そして、痛む左手に回復魔法を使用する。
痛みが引く。
そして本白水もキングを仕留めたようで、”黒い奴”が相手をしているミノタウロスに向かっていた。
暫くして、6人で仕留めていた。
ひとまず動きのある魔物はいない。
そして、先程の女性を見ると・・・・ロンダーヴが腕を組んで仁王立ちして、その女性を正座させていた。
【ねえキミ、ボクのマスターになんて事言うのかな?】
「も・・・・申し訳ございません・・・・まさか、精霊様を使役している方と存ぜず、とんだご無礼を致しました。かくなる上は・・・・この身をもって償いを致しますので、どうか犯すなり奴隷にするなりしてやって下さい。」
更に土下座を始める始末。
いや、そんなの良いから。
【あ。マスター、この娘お持ち帰りできるから、好きにしちゃっていいよ?折角エルフを救ってあげたというのに、失礼な娘だったからね!】
いや、何かおかしいだろ?お前何もして無かったじゃないか!
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