第117話 精霊”ロンダーヴ”  その②

来た・・・・


この人がボクのマスター?

ボク、自分より弱っちい奴には従わないんだから!あれ?こっちを見てる?もしかして、キミがボクのマスター?


あれれ・・・・キミ、ボクを握れるんだね。この剣に住んでから、これだけ長い事ボクに触れたのって、誰もいなかったんだよ?やっぱりキミがマスター?


あ・・・・あああ・・・・!凄いよマスター!ボクの中にマスターの魔力がどんどん入ってくるよ!

あ、あんな事やこんな事まで・・・・もうボクお嫁に行けないよ?え?貰ってくれるって?やったー!


頑張ってボク、マスターの魔力いっぱい貰って、早く姿を現すからね!それまで待っててね・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「眠い・・・・なんだこの眠さは・・・・」


【マスター眠いの?ごめんねボクがいっぱい魔力貰っちゃったから、魔力もう残ってないんだよね?だから眠いんだね?後はボクがやってあげるから・・・・ちゃんとマスターの思ってる通りにするから、寝ててね?ボクが後はやってあげるから・・・・大事な事だから二回言うね?お休みマスター・・・】


「うん?何か頭の中で声がしたような?だが・・・・駄目だ・・・・何でこんなに眠い・・・・の・・か・・・・」


俺は今凄く大事な所だというのに、寝てしまった・・・・


【じゃあマスター、暫く身体借りるね?】


・・・・

・・・

・・


「・・・・おい、聞いておるのか?まさかとは思うが、寝ておるのではなかろうな?」


【・・・・夢を・・・・見ていた・・・・】


俺の身体が突然立ち上がり、語り始める。勿論、俺の記憶には残らないのだが・・・・

ざわめく城内。なにせ、今までの俺の雰囲気とは全く違う、神聖な雰囲気になり、目が赤くなっていたからだ。何だよこれ?


「何?夢とは何だ?」


国王がボクに聞いてくる。



【ボクは・・・・夢の中で・・・・ある女性と出会った・・・・そして・・・・それがきっかけとなり・・・・いや・・・・それはいい・・・・先ずは世津だ・・・・彼女との出会いが・・・・ボクの人生に変化が生じ・・・・三津枝と知り合う事で・・・・前に進み始めた・・・・更に佐和との出会いが・・・・進むべき道筋を照らしてくれ・・・・その先に・・・・イベッテがいた・・・・4人との出会いは・・・・偶然ではない・・・・必然なのだ・・・・!そして・・・・ボクは自ら・・・・ミスリルで5振りの剣を打った・・・・この剣は・・・・4人との絆だ・・・・そして・・・・ボクをさらに導いてくれるのが・・・・この剣・・・・精霊剣”ロンダーヴ”(決まった・・・・ボクやったよマスター!もう完璧だよ!)】

そして精霊剣を抜き、天に向けかざす。

精霊剣から大量の魔力が放出し、5人が持っているダガーに吸い込まれる。


【ボクの生涯をかけて、4人を護ろう!】


こうして、儀式は終わっていった。


イベッテは感動のあまり気絶してしまったらしい・・・・

3人は俺の変化に驚いたようだが、素直に受け入れたらしい。

何故らしいのか、俺が知らないからだ・・・・


そして、起きたら、すべてが終わっていた・・・・


何?どうなってるの?

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