第111話 オリジナルの剣を打ってみる

翌日また来ると約束し、工房を後にする。


明日から2日、工房の親方の指導の下、一振りの剣を打つ事になった。


普通、こんな事はあり得ないのだが、俺の持っている、白河さんから譲ってもらった剣を貸す条件として、その間弟子入りさせてもらい、一振りの剣を完成させるというものだ。


イベッテ曰く、よくそんな条件を親方が飲みましたね?だって。


普通弟子はコネがないと無理。

10歳ぐらいから数年住み込みで覚えるそうな。

それも誰でもではなく、親方の知り合いとか、身内とか。


中には才能あふれる弟子もいるそうだが・・・・

基本才能はいらないらしい。

あくまで従順、忍耐、努力、が必要らしい。


・・・・

・・・

・・


服をそれぞれ仕立ててもらう事になったらしく、次は下着売り場に向かう・・・マジで?


何故か俺も店に入ったが・・・・地味な、変な形のしかなかった。


イベッテ曰く、こんなもんだそうな。


パンツなんて、カボチャパンツだよ。色気も何もあったもんじゃない。

ブラとかも・・・・よく分からんが、コルセットみたいな、紐が沢山ついてて・・・・使いにくそう。

これ、

日本で売ってたのを作れば売れるんじゃない?

もしくは、異世界売買で購入し、それを売る。


今度考えよう。


結局丸一日女性陣の買い物に振り回された俺。

女の買い物は長いと言うが、長すぎ・・・・


・・・・

・・・

・・


工房に弟子入りするという情報が、城内を駆け巡り、王太子が確認しに来たほどだ。


「どういう魔法を使ったのだ?あの偏屈の弟子になるなど、いや、あいつが見ず知らずの奴を弟子入りさせるとか、色々おかしい。」


そう言いながら行かせてもらえた。


3日後に、ちょっとした儀式をするから顔を出すようにと言われ、王太子は去っていった。

何だ?儀式って・・・・


・・・・

・・・

・・


「来たな。鍛冶のスキル持ちらしいから、一通りは説明し、実際に見せるから、よく見ておけ。」


そう言って、一から剣を打ってくれる。


丸一日かけて、一通り教えてくれた。


「明日、自分で打ってみろ。」


帰り際、そう言ってくれた。


そして翌日。


そう言えば、オークのドロップに何かよく分からない宝石や、石があったな。

あれ使うか?


見るとミスリルと出ていた。

ああ、そういえば鑑定してなかったっけ?


これ使えるのか?


親方は俺の方を見るでもなく、一生懸命白河さんの打った剣を見ている。

まあいいか。



よく分からないが、魔力をこめると、簡単に形が出来上がる。いいのかこれ?


よく分からないけど、魔力に回復魔法を使う時の感じで流してみた。ありゃ?剣に吸い込まれる。いいのか?


親方に教えてもらった手順と違うが、まあいいだろう。


あ、水とか大量に出せるといいな。ライター代わりに使うのもありだな?


そんな事を思いながら、あれ、後風魔法使えたっけ?




余計な雑念を持ちながら打ってしまった・・・・



そして出来上がったのは・・・・


魔力を消費して色々な魔法が使える、杖みたいな効果のある剣。


・・・・微妙だ・・・・

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