第110話 精霊剣”ロンダーヴ”

「若いの・・・・この剣はな、精霊剣”ロンダーヴ”という。剣に精霊が宿っておるのだ。しかもこの精霊、一筋縄ではいかぬ。持ち主を選ぶのだ。」


・・・・いや、悪いけど、剣間に合ってるから。


「そうなんですか・・・・精霊か・・・・」


「む?お主この剣の凄さが分からぬのか?」


「あ、間に合ってますので。」


そう言っておっさんソード(仮)を取り出し、見せる。


「なぬ?それがお主の業物か・・・・?握ってもいいか?」


「ああ、いいよ。扱いには気をつけてね。」


奪われたらそれまで。俺の見る目が無かったという事で。


そして、剣を手に取り、まじまじと見るおっさん。


・・・・・・・・・ぴくっとするおっさん。


「お・・・・おおお!お主、この剣をどうやって手に入れた?」


「は?いや、貰ったんだけど。」


「何だと!あり得ぬわ。こんなのをホイホイと渡す奴が居る訳が無かろう!」



「え?それ、作った本人が、同郷なんで、同郷のよしみで貰ったんですけど。」


「へ?同郷?この剣の製作者は生きておるのか?」


「あ、まだまだ元気だね、白河さん。あの人凄いよ。あ、こっちは適当に打ったって言ってたけど、見る?」


適当に打ったと言ってたけど、そこらの剣よりは性能がいいから、扱いには気をつけてね、と言ってたっけ。

目の前に5振り出す。


そして、気が付けば‥‥弟子?らしき野郎が数人集まっていた。


「お前ら!この剣を見てみろ!無骨だが、凄い力を持った剣だ。恐らく、この工房にあるどの武器より、この一振りの方が力のある剣だ。」


すげー真剣に見てる。


「親方・・・・これ・・・・白河ソードじゃないですか?」


うん?おっさんソード(仮)だよ?


「ああ、こっちのは名無だが、見ろ、この人が携帯していたほうは・・・・噂でしか聞いていなかったが、番号持ちだ!」


うん?そう言えば、”8”とか掘ってあったな?


「頼む!一振り譲ってはくれんか!礼ならする!」


「あ、そう言うのは駄目と言われてるんで、無理です。」


「そこを何とか・・・・」


「数日貸すぐらいならいいですが、手放すことはできませんよ?」


「数日でもいい!じっくり見させてほしいのだ!」


「あ、傷つけたりとかも駄目だから。」


一応、3日貸す事にした。


後でイベッテに聞いたら、この工房、王国一の腕前らしい。

剣を打つ腕もさることながら、精霊を付与させる事が出来るスキルを持っており、ごく稀に精霊付きの武器を作成できるらしい。


はあ・・・・精霊が宿ると何があるんだ?

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