第108話 パーティー

「レシティア、口田さんが困ってますわよ。さあ戻りましょうね。」


 国王の奥さん、マリルーさんがやってくる。

 聞けば、レシティアは2人にとって最後の子供らしい。

 あれ?どっちなんだ?

 王太子の娘と言ってなかったか?

 以前は確かに国王の娘と言っていたよな・・・・わからん・・・・


「そんな、待ってほしいのじゃ母上。折角あの者と話をしておるのじゃ、待ってたもれー。」


「ごめんなさいね。この子は連れて行きますわ。」


 2人は去っていった。

 この後イベッテが戻ってくれて、パーティーが終わるまでずっといてくれた。


 なお、せつ達3人は終始王族や貴族?の女性陣に囲まれ、持っている衣類の事やら色々質問攻めにあっていた・・・・


 俺はこの間、色々な有力貴族や王族等々に声をかけられたが、当然ながら知らない。

 イベッテがさり気なくあの方は何処の誰々、侯爵家の長男の誰々等教えてくれたので助かった。

 まあ、誰が誰やら覚える事は無理だったが・・・・


 そして、このパーティーにいる半数は女性なのだが、殆ど声がかからなかった。

 何でだ?


 色とりどりのドレスを着こんだ淑女達。

ちょっとお知り合いになりたいなとか思った訳だけれど、誰も来ない。

 まあイベッテがいるからいいけどさ。

 時々思わず目がいくと何故かイベッテが、


「口田さんごめんなさい、脚を踏んでしまって。」


「躓いてしまいましたわ。大丈夫だったかしら?」


 等々、あれ?意外とイベッテおっちょこちょいなのか?


 途中喉が渇いたのでジュースを飲んだら意外とおいしく、何杯もお代わりをしていたら、急に目の前がくらくらしてきた。

 あれ?何だこれ?目が回る・・・・頭がガンガンする?ドキドキする?


 終いにはまともに立っていられなくなり、イベッテに連れられて会場の所々に用意してあるバルコニー?の一画に置いてあるソファーに座り、半ばイベッテに抱きつくような形で倒れこんでしまった。

 起きなくちゃと思うけれど、フラフラなうえにイベッテの柔らかな感触、いい匂いがして更に頭が混乱、いつの間にか寝てしまったらしい。


 そして気が付けば、もうパーティーは終わっていた。

 どうやら酒に酔ってしまったらしい。


 俺は酒が飲めないんだ。

 コップ一杯のビールでもうフラフラになる。

 どうやらジュースと思って飲んだのが酒だったらしい。


 この後イベッテは用事があるらしく、別行動に。

 さわとみつえに連れられて部屋へ戻った。

 せつは先に部屋を空けていてくれたらしい。


 この後、どうやって戻ったか記憶になく、気が付けば朝だった。

 俺、何もしていないよな?


 うー頭が痛い・・・・

 パーティーの記憶もあいまいだ。いかんな・・・・

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