第106話 国王は脳筋なのか?

 ラクシュアノス王国の現国王ハイメ・ラローチャ・ペラレス三世は、大陸に名を馳せた冒険者だったらしい。

 元々次男だった当時のハイメ王子は、冒険者として各地のダンジョンを攻略していたようだ。


 レベルも上がり、最終的には9に到達。

 そして、ハイメ王子が25歳になろうとしていた頃、事件が起こった。

 次期国王、ハイメ王子の兄が、外遊中に何者かの手によって暗殺されたのだ。

 実際には外遊ではなく秘密裏に交渉を行っていたらしいが、結果決裂。

 この事件のせいで両国は戦争状態に。

 時の国王は先陣を切って戦ったが相手の方が上手で、誘い出された上に囲まれ、討ち死に。


 残されたのは女性ばかりの王族で、戦う術を持たない。

 そこに知らせを受け戻ってきたハイメ王子が単身相手の総司令を討ち果たし、そのままの勢いで最高権力者をも討ち果たす。

 仇を討った訳だが、このままでは両者泥沼に。


 しかしこの後に、全ての出来事が他国による謀略であると判明。

 両国は休戦、2国をもってその国を打ち滅ぼす。


 そして最終的には滅ぼした国を含め男性の王族がハイメ王子ただ一人となってしまい、3国を統合する事に。

 そして出来上がったのが現在のラクシュアノス王国である。

 この国の名も、3国の名を合わせてできたらしい。

 国王となったハイメだが、独身。

 もう一方の国の王女であったマリルーを后とし、現在まで安定した統治をおこなっている。


 国王の長男、セリノ王子の妻タティアナは、滅ぼされた国で生き残った王族の血筋。

 こうして元3国の血を受け継いだ男性は・・・・まだ生まれていない。


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「私が知っているのはこんな感じです、どうでしたか?口田さん。」

「ありがとう、イベッテ。この国自体は新しいんだな。」

「そうなりますね。元の3国は歴史ある小国でしたが、このおかげで大国になったのですよ。」


 知って損はないけれど、だからと言って何が起こる訳じゃないな・・・・?


 ・・・・

 ・・・

 ・・

 ・


 王族の女性陣が一堂に会し、俺が持っていたカバンの中身を物色している。

 せつ達転移組は自分に合うサイズの衣類をある程度選別しているので、合わなかったサイズと数があったので余ったのがそのまま入っている。

 まあ今更だけれど、異世界売買でいくらでも買えちゃうんだけど、まあいいか。


 で、見た事も無い服や下着を部屋中に出して、凄い事になっているらしい。

 男性厳禁となっている。


 そして俺はというと、何故か軍の訓練場で国王と王太子、2人の相手をしている。

 何せ、持っている剣を見せてほしいと言われ見せた所、2人が凄く興奮してしまい、現在訓練場で剣を使って模擬戦中。


 ちなみに、王子はレベル8らしい・・・・

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