第104話 王太子の剣捌き

流石に、王太子は金を持ち歩かないので、後程側近に手続きをさせるという事に。


まあ、雑務は王族はしないよな?


で、王太子さんは


「それにしてもその服は何だ?全身黒ずくめじゃないか?しかもこの暑さのさなか、よくそんなコートみたいのを着れるな?」


早速服装を突っ込まれた。


この服、湿度の調整の他に、温度調整してくれる付与付きで、快適なんだよな、見た目夏だと、むさ苦しいけど。



と、その事を伝えると、王太子さんは


「マジか!そう言う付与の使い方もあるのか!気が付かなかった!それに、フルプレートより防御力があるって?ちょっと試してもいいか?」


そう言って、王太子さんは、腰に下げたショートソードを抜き放ち、切りかかる。


うわ!


思わず腕で防御をしたけど、痛い・・・・服は切れないけど、打撃はダイレクトに来るんだよ。


王太子さんは本気で切り付けてきたようで、


「おお!腕がつながったままじゃないか!どれ、見せてみろ・・・・凄いぞ!見てみろタティアナ!コートに痛みが全くないぞ!」


「あなた・・・・流石にいきなり切りつけるのはどうかと思いますわ。ごめんなさいね、口田さん。こう見えてセリノの腕前は中々なの。それを全くダメージを受けずに腕一本で受けきるとは、驚きね。」


そう言いながらセリノ王子の奥さんは、お尻を思いっきりつねりつつつ、「痛いじゃないかタティアナ!」俺に謝ってきた。


完全に尻に敷かれてるな、セリノ王子。


そして、奥さんは・・・・


「イベッテはよくやってくれていますか?」


唐突だな・・・・


「え・・・・ええ・・・・気配りもいいですし、ギルドでの交渉事も任せる事が出来ますし、ありがたいですよ。」


「あら?そういう事ではないのですけれど・・・・イベッテはああ見えて、一途なのですよ。今までどんな話も蹴ってきたのですが、貴方にぞっこんですから。」


ええ?どういう事?


「えっと・・・・俺、この国の常識が分からなくて、彼女には余計な苦労をかけてるみたいなんですが、そういった事なんですかね?」


「・・・・あらあら・・・・可哀そうなイベッテ。頑張ってね。」


いつの間にか近くにいたイベッテに声をかける奥さん。



?何を頑張るんだ??


「わかってますよ、お姉さま義姉さま。」


そして、2人は連れ立って、せつ達の方へ向かった。


女性同士で話したほうがいいだろう。


・・・・

・・・

・・


この後すぐに、昼食を王太子御一行と食べる事に。


どうやら食事前だったようで、今から俺は食べるから、皆来い!だそうだ。


そして、連れられて、食事をとる部屋に案内され、俺達が席に着くと、王太子一行もやってきた。


そして、すぐに、爺さんが部屋に入ってきた・・・・王太子一行は起立して礼をしている。

あれ?もしかして国王?

こんな簡単に会っていいのだろうか?

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