第97話 嬉しいけれどね・・・・

気が付くと、ミゲルさんが背後にやってきていた。いつの間に・・・・?


肩をたたかれ、


「頑張れよ!干からびるなよ?」


「え?何を頑張るんですか、ミゲルさん?そして干からびるなよって、どうやったら干からびるんですか?」


「ははは!若いっていいなあ!頑張れ!口田殿。」


・・・・よく分からないが去っていった。


そして、ミゲルさんを見送った後には、見知らぬ10歳ぐらいの子供が目の前に立っていた。


「ソチが口田か?」


「そうだけど、君は誰?」


「君とは我の事なのか?我の名はレシティアなのじゃ!覚えておくのじゃ!」


「おう?分かったけど、君は誰の子供?親は来ていないの?」


「子ども扱いするでない!我はこれでも王女なのじゃ!今日は兄上と共に参ったのじゃ!近い将来其方が兄上になると聞いておったからの!それにしても見事な告白じゃ!あんな皆の前でとは、お主なかなかやるのう!」


何だこの子。まだ10歳ぐらいか??小学校3~4年ぐらい?

王女と自分から言ってるけど、あの王太子さんの妹か?


注:レシティアは嘘をついています。王太子の唯一の娘です。


適当に頭をなでてみると顔を真っ赤にしながら

「我を子供扱いするでないと言うておろう?」



「あ、すまなかったな。君が素敵だからさ、つい。」


「なぬ?姉上だけではなく、我にも告白か!受けて立つのじゃ!じゃが、我はまだ10歳。後5年待ってほしいのじゃ!」



うん?何言ってるんだ?


「ああ、分かったよ。君が15になったらまた来てよ。楽しみにしてるよ。」


「わかったのじゃ!帰ったら父上に報告するのじゃ!我も予約が入った故、心配せずともよいと伝えるのじゃ。」


のじゃっ娘は去っていった。何だったんだ。


それにしても・・・・俺は決してロリじゃないが、さっきの・・・・レシティアと言ったか?あの年であの顔立ち、10年後が恐ろしい・・・・

あれはせつ以上の美少女になるな。そして、将来は、さわ以上の美女に。


そんな事を考えてたんだが、この後、ずっとこのレシティアの発言を忘れてしまったんだよな。で、彼女は5年後、きっかり15歳になって、再び押しかけてくるのだが、この時はそんな事を思いはしなかった。


そして、気が付けば、王太子さんとその奥さんは再び消えていた。


「なあイベッテさん、王太子さんは何処へ行ったんだ?」


「え?早速睾丸の効果を試しに向かいましたけど?」


「え?そんなに早く薬作れるの?」


「聞いてませんでしたか?国一番の薬師を連れてきていたので、私達ががこの部屋に集まっている間に、早速作っていただいたのですよ、ほら、これがそうです。私もすぐに使う事になりそうなので、少し頂いておきました。」


そこにあったのは、粉になった・・・・睾丸?だった。すり潰し方が大事らしく、素人がすり潰しても駄目なようで、ちゃんとしたスキル持ちがすり潰し、煎じないと駄目らしい。

あ、そうそう、粉にしたあと少し煎るみたい。


うん?さっきイベッテさん、粉をすぐ使う事になりそうとか言ってた?え?誰と?


自分と使う事になると言われているとは、まだ気が付かない俺・・・・

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