第93話 王族のカリスマ

何て言ったらいいんだろう?


普段の愛嬌のあるイベッテさんが、胸元の空いたドレスを着ている。

普段見慣れている姿は、すらっとした、そう、ほっそりとした姿だったので、正直胸とかそんなにないなあとか感じてたけど、今見ると、確かに控えめなのだろうけど、それなりに胸の谷間が垣間見え、正直目が釘付けになる。


アップした髪の毛。普段は見えないうなじ・・・・思わずフラフラッと近付いてしまいそうになる。

すると、せつが割り込んでくれて、俺は我に返った。


「ああ、イベッテさん、今日はどうしたのですか?普段の制服ではなく、ドレスなので驚きなんだけど?」


「あ、はい、流石に王族の人々をお迎えするのに、普段の制服では失礼に当たりますので・・・・あの、どうでしょうか?似合いますか?」


凄く似合ってる・・・・何というか、普段から美人だったから、違う魅力というか、気品を感じる。普段より露出が多いのに。


「なんというかその・・・・凄くきれいです。うん、似合ってるよ。」

ああ・・・・お持ち帰りしたい・・・・


真っ赤な顔をするイベッテさん。


「あの、イベッテさん、もしかしてこれからしもんさんは、ギルドに行かなくてはいけないのでしょうか?」


「あ、繁在家様ですね。ええ、そうです。睾丸の入手の経緯を直接話してほしいので。」


「イベッテさんに釣り合う服、しもんさん持ってないと思うけど、大丈夫なの?」


「安楽座様ですね。もし無いようでしたら、こちらでご用意致します。」


「普段から私達は一緒に行動していますわ。今回のオークキングの討伐時も、私達3人は一緒だったので、問題が無ければご一緒させて頂きたいのですが、駄目かしら?」


「前重様ですね。勿論、お越し願いたい所ですが、3人の方も、服はこちらでご用意いたしますか?」


「お願い致しますわ。ここに来る時、殆どの荷物を国に置いてきましたから、ドレスは何も手持ちにないので、あると助かりますわ。」


・・・・何やら変な応酬があったようだが、結局いつもの3人と、イベッテさんとで馬車に乗り込む事になった。

えー王族来てるのかよ。大丈夫か?


・・・・

・・・

・・


馬車で移動と言っても、ほんの数分の距離。イベッテさんがドレスなので、馬車で来た、という事らしい。

すぐに到着するが、ギルド前には豪華な馬車が数台停まってる。

ちょっと待て。何だこの豪華なのは。

王族って言ってもピンキリらしいが、どんなのが来たんだ?


3人も警戒する。大丈夫かこれ?

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