第86話 3人の想い

「私達・・・・元の世界に戻れないのですよね?しもんさんにはしもんさんの考え、都合があるでしょうが・・・・どうか私達を見捨てないでほしいのですわ。その・・・・はっきり言いますけど、別に御国台高校の全員を見てほしいと言ってる訳ではないのですわ。そう・・・・できれば、私達3人を、その・・・・い・・・異性の相手として・・・・お付き合いをしてほしいんです!」



うん?・・・・え・・・・ええええ!


そ・・・その・・・・3人とも彼女にしてほしいって事?


うそでしょ?こんな美女美少女3人が、俺に?ないない?


「まあ落ち着いて。今はこんなだから3人とも気持ちがおかしくなっちゃってるんだよ?はっきり言うと、君達3人は、僕にはありえない、不釣り合いなほどにいい女だよ。もう美女ぞろいだし、スタイルいいし、って何言ってるんだか。こういうのは確かなんだっけ?つり橋効果?もっとよく考えてみてほしい。何でこんな冴えない俺にそんな事を言うのか。多分だけど・・・・この異世界で、きっと僕が一番頼れる存在になっちゃってるのが問題なんだろうね。だから、もう少し自分達を大事にしてほしい。もちろん、君達3人を見捨てないし、手放したくはない、これは本心だよ。この際だから言うけど、君達の事は異性としてみた場合、魅力的過ぎて、他の人に取られたくない!と思ってるよ。だけどね・・・・一度に3人とか、そんな甲斐性は俺にはないよ。」


はあ・・・言ってしまった・・・・ドン引きだよね?


そう思ってると、今度はみつえが


「きっとしもんさんの事だから、そう言うと思ってた。あのね、ギルドで聞いたけど、この世界では一人の強い男性は、沢山の女性と関係をその、持つものだって。つ・・・つまりね、この世界では・・・・一夫多妻制なんだって。」



なんだって!は!そう言えば白河さん、この異世界で何人もの女性と結婚してるって事だったな。

驚きだ・・・・?


そしてさらにせつが


「この世界では、貴族の身分制度が存在してるようです。貴族は、沢山の子孫を残すのが義務です。なので、私達3人が、しもんさんの所へ嫁ぐのは、問題ないのです。むしろ、そうする事で4人の絆が一層深まるならその・・・・今すぐにでも。」


ちょっと待ってせつ。


「わかったから!落ち着いて!さっきも言ったけど、これはつり橋効果だ!僕は君達の事異性として好ましく思ってるけど、今は君達の心の中は、色々あると思う。もう少し落ち着いて考えて、欲しい。」


・・・・どうなってるんだ、そして俺のあほ。きっとヘタレと思ってるだろうな、3人共。ここで離れてしまっても仕方ないよな。


「フフッ流石はしもんさんですわ。そこまで私達の事気にかけて下さってるなんて。えええと・・・その・・・・やはり私達3人、しもんさんの事お慕い申し上げておりますから、好きな時にその、食べちゃって大丈夫ですわ。」


・・・・ゴクッ、マジっすか!

あ、でもやはり駄目だ!絶対何か変だ。こんな事で、3人の人生を狂わすわけにはいかない。


結構マジ惚れな3人の想いに変な価値観で応える事ができないヘタレな俺。今がチャンスだぞ・・・・

そんな大事なチャンスに気が付いていない阿呆な俺だった・・・・

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