第80話 本白水に起こった出来事

黒い奴のパーティリーダに就任した本白水君だが、彼は召喚時には、炊き出しのメンバーだったようだ。



・・・・・・・・・・・・・・・召喚当日・・・・・・・・・・・・・・・・・・


10名ほどの炊き出しメンバーがいたはずだが、彼が気が付いた時には既に魔物が校庭内に侵入し、目の前でゴブリンが炊き出しメンバーの1人を襲っていた。


彼は運が良かった。

ちょっと前まで男子生徒と気さくに喋りながら炊き出しをしていた。そして、隣の奴が襲われた。


彼は状況が分からないながらも、ゴブリンを引きはがし、懸命に戦った。

その時、ゴブリンの爪で腹を裂かれ、負傷するも、炊き出し時に使っていたガスバーナーを取り出し、ゴブリンに向けて投げつける。

燃えるゴブリン。


そして、金属のトングを拾い、口の中に突っ込む。

トリバシを使い、目を突き、動きを封じている間に包丁を探し、ゴブリンの首に突き刺す。


この間にほとんどのメンバーが気が付き、逃げ惑う。

この時、オークが現れ、女子生徒を襲いだす。

服が破られ、犯されそうになっている女子生徒。

幸いな事にこちらには気づいていない。


音をたてないように背後に回り、まさに女子生徒が、オークに犯されようとした瞬間、包丁を首に突き刺す。

ゴブリンの時と違い、するっと首に突き刺さる。そして首が飛ぶ。


驚く本白水。


しかし、このままでは皆が危ない。

生き残った全員を集め・・・・男子生徒は残念だが・・・・さらに女子生徒一人が無残な姿で動かなくなっていたが・・・・校舎へ移動を開始。しかし、校舎の前にも魔物が群がっている。

講堂や、体育館の前も駄目。さらに奥の柔剣道場へ魔物に見つからずに進めず、運動場の裏側まで逃げる。


フェンスが破れている個所があり、どうやらここから出られそう。

危険だがこの場から脱出するしかない。


自身を含め、数人が負傷したままだが、治療する時間はない。

負傷者に手を貸し、全員学校から遠ざかる。


しかし、おかしい。高校の裏にこんな森がある訳が無く、民家があったはずが、見当たらない。

何かが起こってる。

しかし考える時間がない。


どれだけ歩いたか分からないが、遂に小屋を見つける。

様子を見るが、生き物の気配はない。中に入り、負傷者を寝かす。


どうなってしまったのか・・・・


この後、動ける男子生徒が、付近に危険がないか、水が無いかを調べに向かったが、誰も戻ってこなかった。

魔物にやられたのか・・・・?


彼は逃げる時、元気な男子生徒に指示を出し、袋に食材を入れて持ってこさせていた。水は一応、ある。20リットル程のお茶だが。


3日ぐらいしか持たないか・・・・。


・・・・

・・・

・・


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