第53話 行動が変化する謎
「そう言えば、レベルが上がると何で強いのか俺も疑問に思っていたんだよ。何で石を投げて当たったら化け物の腕や体が吹っ飛ぶのか。有り得ないぐらいに命中率高かったし。」
「はい、しもんさんを見ていて凄かったですから。」
「でも、俺達2人でそんな事言っても解決しないからなあ。まあ、そろそろ帰るよ。一寸疲れたから寝るよ。」
「あ、はい、それではお休みなさいませ、しもんさん。」
俺は自分の部屋に入って寝た。
そして・・・・寝たと言ってもそうそう眠れる訳じゃない。
俺の身体はどうなってしまったのか・・・・あれ?そして、とある事実に気が付き、愕然となった。
いつの間にか、自分の事を”俺”と言ってなかったか?
今まで日本では、俺なんて使った事がなかったはず。
常に僕だった。
そう言えばいつからだ?
最初に校舎で・・・・せつ達と話した時は僕だったはず。
うん。
さわに会ったあたりからか?
これもスキルに関係しているのだろうか?
そう思うと恐ろしい。
力だけでなく性格も変わってしまったのか?
・・・・
・・・
・・
・
気が付くと朝だった。
考え事をしながら寝てしまったらしい。
いかんいかん、起きて顔を洗う。
ソファーへ向かうと既に3人共起床していて、ゆったりしていた。
というか俺の・・・・は!今やっぱり俺ってなっていた。
一寸意識しとこう。
3人は僕のカバンを物色していた。
一寸見ちゃいけない派手な下着とか見えた気がしたけれど気のせいだ、きっと。
宿で4人揃って食事をし、ギルドへ向かう事に。
そうそう、食事中に、3人がここへ来てから何か変わった事が無かったかと聞くと皆黙り込んでしまった。
何か心当たりがあるのだろう。
お・・・・僕は・・・・意識しないと僕とならない。
「じゃあ言うけれど僕の場合、元々僕と言っていたのが、ここに来てから急に俺って言うようになった。」
「そう言われると、そうですね。確か最初は僕と言っていました、しもんさん。」
「あらそうだったかしら?私の時は既に俺だったような気がしますわ。」
せつとさわでは知り合った時期が少しずれているけど、この間に何かあった?
みつえに関しては、
「えっと、そう言えば途中から俺だった。」
と。
そして3人の変化に関しては、
「あの、誤解のないように聞いてほしいのですけれど、私、出会ってすぐの人に抱きつくとか、考えられないんです。あ、しもんさんはいい人ですよ?命の恩人ですし。今なら抱きつくのも・・・・問題ないですけれど、最初に抱きついた時はまだしもんさんの事殆んど知らなかった訳ですし。」
せつが言う。
そしてみつえも、
「やっぱりそう?私も無意識に抱きついたけれど、今思うとありえないよね?殆ど知らない男性にいきなり抱きつくとか。」
更にさわが、
「私もしもんさんに抱きついた事がありますけれど、そうですわね。たとえ酔っていても告白とかされていないのに、一寸無いですわね。私達どうなってしまったのでしょうか?」
結局お互いの変化を確認して食事が終わり、ギルドへ向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます