第46話 受付嬢の案内

俺達はギルトの建物から出ようとしたんだけど、今日受付をしてくれてた受付嬢が声をかけてきた。


「口田さん、今から先ほどお売りした館へ、向かうのですが、ご一緒しませんか?」


むむ、これはどうした事か、モテ期到来か?


「えっと、どのような用があるのかな?」


「執事とメイド、の雇用形態の変更の手続きですね。」


・・・・なるほど。モテ期は去った。


「全員で向かったほうがいい?」


「いえ、今回の場合、館の建物の所有者が口田さんですので、所有者1人で構いません。」


「わかった。まあ聞いての通りだ。俺は一度館に向かう。皆はどうする?」

一応聞いてみる。


「何も考えておりません・・・・」


「そういえばこれから今日は、どうするとか決めてなかったよね、口田さん?」


「あ、もしよかったらですけれど・・・・口田さんの持っているカバン、貸してもらえませんか?」


せつと安楽座さんは何も考えてなかったか・・・・で、流石は教師してるだけあるな、何でカバン?


「いいけど、どうして?」


「はい、もし時間があるなら、一度カバンの中にある服とかじっくり見てみたいなあ、と。あの時は見る余裕がなかったので、手あたり次第に仕舞っていましたからね。」


意味深な言い方の前重先生。


忘れていたのか、目を輝かす2人。


「ああ、下着とかもあるしな。男がいるとそう言うの遠慮するよな・・・はい、持ってって下さい。」


女性は色々大変だからな・・・・


「しもんさん、ありがとうございます。」


「着替え!着替え!」


・・・・3人は去っていった。もう振りむきもせず、一目散に。


・・・・

・・・

・・


「少々お待ち下さい。」


館に到着し、先に中に入る受付嬢。


暫くすると、50代後半?のダンディな紳士が現れた。


「口田さん、こちらがこの館を管理していただいている、執事の方です。」


・・・・セバスチャン・・・・


は!乏しい知識から来た閃きが・・・セバスチャンだと?くう・・・・


勿論?セバスチャンという名ではなく、マウリシオ・フロレスという名だった。


「お初にお目にかかります。マウリシオ・フロレスと申します。当館を30年にわたり、管理しております。以後お見知りおきを。」


「これはご丁寧にどうも。口田士門です。」


「口田様ですね。変わった名ですが、こちらの街に住んでおられるのでしょうか?」


「いや、来たばかり。」


「なるほど・・・・イベッテ様のお話ですと、明日からお住まいになられるとか・・・・」


「大丈夫かい?」


「無論、問題ございません。因みに、何人ほど来られるのでしょうか?差支えが無ければお教え願えないでしょうか?」


「たぶん50人ぐらい。」


「多いですな・・・・申し訳ございませんが、この館は広いとはいえ、50もの個室はございませぬ。相部屋となりますが宜しいでしょうか?」


「ああ、問題ないよ。あ、クランの拠点としても使うので、1階に大きな部屋はあるかな?別の部屋がよさそうならならそうするけど、拠点用の大部屋もすぐ使いたい。」


「畏まりました。口田様、個室はいかほどお使いになられますか?10ほどの部屋がすぐに使えますが?」


「今の所4人かな。」


「畏まりました。お食事はどうされますか?」


「料理できる人はいるの?」


「本格的なご料理はご用意できませぬが、宿で出される程度の食事であれば、すぐにでも。」


「それはありがたいな。パンがいいかな。保存のきかない料理は、落ち着いてからで。」


「そう伝えておきます。それと、風呂のご用意もしたほうがよろしいでしょうか?」


「風呂は夕方でいいかな?水使えるの?」


「無論でございます。但し魔石を使う事になります。」


・・・・

・・・

・・


結局メイドさんは出てこなかったよ。


そして、帰りに受付嬢・・・・イベッテさんというらしい・・・・と、食事をしてから帰る事にした。

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