第40話 この場を去る事に

「残念だが仕方ない。みんなごめん。今生き残っている全員助けたかったけれど、この辺りが限界みたいだ。」

 うなだれる。

 情けないな・・・・高校生相手に言い負かされるなんて。


「何て事を言うのですか!しも・・・・口田さんは精いっぱい頑張っています!本来条件は皆同じはずなんです。」

 更にせつに慰められる。

 うう・・・・


「さあ、ここに留まっていても強姦魔に襲われます。では私達に付いてきてくれる人達、行きましょう!因みにおいしいごはんと代わりの服が待っていますからね。もしかしたらお風呂にも入れるかしらね。」


 嗚呼言っちゃったよ前重先生。

 急に周囲がざわつく。

 特に女子。


「今風呂と着替えって言った?」

「入れるんですか?後着替えって?」

「おいしいごはんってどういう事ですか、前重先生!」

「今気が付いたけれど、探索に行っていたメンバー、そして後から向かった安楽座さんもよく見たらすごく身ぎれいになっているわ!」


 気が付くと、30人ぐらいが付いてきていた。

 いつの間に?


「君達残るんじゃなかったのか?」

 そう聞いてみる。


「あの、ごめんなさい。なぜか急にこちらの方が安全と気が付いたので。何であちらの言葉に従ったのか、今思うと不思議なんです。」


 ・・・・話術に打ち勝った?


「もしかしてですが、あの少年他に厄介なスキルを所持していた可能性があるかもしれないですね。」

 アルフォンシーナさんが言う。


「どういう事でしょうか?」

「話術だけでは、あのようにはならないのでは?と、ふと思ったものですから。可能性としては、洗脳、扇動、詐欺等でしょうか?」


 うへえ・・・・そんなスキルあるんだ?

 まあ今は気にしても仕方ないので、一度安全な街へ向かう事に。


 ブリセーニョ殿が言うには、徒歩で3時間程向かえば街があるんだとか。

 思ったより近いな。

 なので、オークの強い個体の出現というのは、街にとって大変な脅威になるらしい。


 あ、そうそう、クランの登録は今居るメンバーだけにし直した。

 当たり前だよな。

 特にあの男子共は論外。

 そして、先程調べていた24時間スーパーにもう一度寄ってみる事に。


「まだ何か残っているはず。俺とせつ、安楽座さんと前重先生のリーダーでパーティーを組んで店の中を物色していくから、皆適当にメンバーとなって。あ、今回はウェンディさんとカトリーンさん、アルフォンシーナさんの所にも行って下さい。」


 何かあるといけないから、レベルの高い人を中心として4つの班に分ける。


 大体6人ぐらいずつになった。

 それぞれのリーダーにはヘッドライトを渡し、皆には懐中電灯を渡す。

 ふー、ホームセンターでゲットしといてよかった。


 まだ食料品がたっぷりあって、収納カバンにどんどん入れていく。

 白河さんが派遣してくれた3人も収納カバンを持っていたので、どんどん入れていく。

 あっという間に棚は空に。今回は化け物はいなかったようだ。

 ちょっと休憩して、出発する事に。


 白河さんの奥さん方3人は、街まで付いてきてくれる事に。

 有難い事だ。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る