第39話 険悪な雰囲気

俺はスキルで、自分の思うように持っていってる知見寺というやつに声をかけた。


「君は知見寺君と言ったっけ?俺の事をそういうふうに言ってるが、つまり俺を追い出したいのか?」


何で今更?みたいな顔をする知見寺。


「ようやく気が付いたみたいですね!あんた自分の思うようにいかなかったようで、ごめんなさいね!あんたのたくらみに気が付いちゃいました!どうやってあんな化け物を呼び出したかは知らないけど、皆!もう大丈夫だからね!」


・・・・あかん奴だ。自分に酔ってる。

そして、周りの女子共もそれに影響を受けている。こんな阿呆の為に皆を危険に晒すのか・・・・。


そう思ってると、後ろからせつが言い出した。


「知見寺君!それは間違ってるわ!口田さんは、巻き込まれたのよ!それなのに自分の事を後回しにしてでも、私達を助けてくれたのよ!自分も訳が分からないのに。それなのに、まるで口田さんが事を起こしたように、悪者扱いするなんて、恩を仇で返すつもり?」


「ああ、なんて事だ・あなたは確か吹奏楽部の部長、繁在家さんでしたね!何て事だ、貴女はこの口田という輩と行動を共にし過ぎて、遂に毒牙にかかってしまったんですね!でもまだ大丈夫!間に合いますよ!さあこちらに来て下さい!」


「おい知見寺!何勝手言ってるんだ!口田さんは自分の命を危険に晒してまで、私達を助けてくれてるんだ!何て事を言うんだ!それに皆!知見寺はあの強姦魔の友人だ!そんなのを信用するのか?」


ちょっと男前だなと安楽座さんを思ってしまった。


「あ・・・安楽座さんでしたね。貴女まで毒牙にかかっていたとは・・・残念です。皆、このよく分からない怪しい口田というやつと、今まで一緒に学んできたこの僕と、どっちを信用するんです?それにさっきも見てたでしょ?この僕が皆を守ってあげるよ!」


・・・・何て事だ・・・・周りはこいつを信じてる。



「ここは一度引きましょう、口田殿。」


ブリセーニョ殿が言う。


「残念だけど、これは駄目ね。私達はもう帰っていいかしら?今度来た時、貴方達の逸物、くっついたままだといいわね。もし強姦してたら地の果てまで追いかけて、必ずもいであげるわ。」

ウェンディさん怖い。


「仕方ない。ブリセーニョ殿、そちらに同行させてもらうよ。」


何でこうなった・・・・


「最後にひとつ、君達では太刀打ちできないオークがまだ3体うろうろしてるらしい。間違いなく俺が去ったら全滅するが、いいのか?」


最後に尋ねる。


反応は薄い。


「私は口田さんについていきます。皆はどうしますか?」


せつが言う。


「私も口田さんと一緒に居る。死にたくないし、強姦されたくないし。」


安楽座さんも来てくれるようだ。


「部長、私達もご一緒して良いですか?」


吹奏楽部のメンバーが付いてくるようだ。


「こんな所で仲間割れとは情けないですが、私は死にたくないので、口田さんについていきます。」


この後、せつが信用できると言っていた男子生徒2人も加わると言ってきた。


更に10人程の女子と、先生が1人。

ああ・・・・襲われた人達だな。


こうして、俺達はこの場を去っていった。

どうしてこうなった?



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