第16話 治療
早速上着を脱ぐ。
あまり鍛えてないからなあ。そんなに見られて大丈夫な体型かは、怪しい。
少しお腹がだらしない感じ?
左腕を見ると、わずかに血が出てる。
タオルで血を拭いてくれる勇者さん。
”ちょっと何勇者ちゃんにやらせてるの、私の勇者ちゃんなんだよ”
「うるさい黙れくそ女神。」
「あ、あの・・・どうかしましたか?」
勇者ちゃんが聞いてくる。
「あ、ああ、ごめんよ。くそ女神がいらん事言ってきたから返事しただけ。あ、そうそう、僕の名前は
「あ、あの改めまして、助けていただき、ありがとうございます。私の名は
・・・・やはり高校生か。18歳ならギリギリセーフ?って何がセーフなんだ?
それにしても・・・・なんかすごい名前だ。ちょっと古風な名だな。もしかして良いとこのお嬢さん?
「えっと・・・・せつさんと呼べばいい?名字で呼べば?ちなみに僕の事はしもんと呼んでもらっていいよ。」
「まさか年上の、それも命の恩人の方を呼び捨てなどできません。それに私は・・・・そうですね、せつで大丈夫ですわ、しもんさ・・・・ん。」
「じゃせつ・・・・ちゃん?さん?呼び捨て?」
「呼び捨てで・・・・それより一体何が起こってしまってるのでしょうか、しもんさん?」
まあそうだよな?
こっちもまだよくわかってない。
「よく分からないけど、女神とか言うやつの話だと、本来1人だけ・・・・つまりせつ、君の事らしいのだけど・・・・をこの日本とは違う異世界に、召喚したらしいんだけどね・・・・勇者として。その時何かの手違いか、周りごと召喚してしまい、さらに輪をかけて、化け物が召喚に巻き込まれた人達を殺し、その時に、経験値とかいうのが手に入るらしいんだけど、本来より100倍の多さの経験値を得てしまい、その所為で、滅茶苦茶強くなったらしいって事かな?」
取り敢えず簡潔に説明をしてみる。
「・・・・異世界?召喚?勇者?一体なんでしょうか?それに、しもんさん、剣を持ってますよね?日本刀ではなく、西洋で昔使用していたような長い剣。それに明らかに人間離れした強さでしたよね?」
「ああ、色々突っ込みたくなるよね。まずこの強さだけど、僕は車を運転してたんだ。その時召喚に巻き込まれ意識を失ってたみたい。でも車はそのまま走行していて魔物を沢山撥ねたみたいでね。経験値とかいうのが大量に手に入って、この異世界ではレベルというのが存在するらしく、僕はこの時有り得ないぐらいレベルアップをして強くなったみたいなんだよ。そしてこの剣だけどね、あのくそ女神が、君達を助けるのに前渡し報酬?で渡してくれたんだよ。」
端折って説明をする。
「そうなのですね、色々分からない事はありますが、丁寧な説明、ありがとうございます。」
ぼくはこのせつをじーっと見るけど、それにしてもとんでもない美人だな・・・・。後10年もすればもう、手の付けられない美女になるな。そう思ってると、腕を拭き終わったようで、せつが
「あ、あの・・・・申し訳ありません、包帯を切らせてしまっていて・・・・」
「あ、大丈夫だよ、確か持ってる。」
そう言って例のカバンをごそごそ・・・・ホームセンター内の薬局に確かあったはず。見つかった。
「これでお願いします。」
包帯を手渡した。
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