第15話 ゲロまみれ

 不慣れな武器を持ってチャンバラ?みたいに剣を振り回す。

 魔物は背後の異常に気が付いたのか、こちらに標的を切り替えたのか全部こっちに来る。


 正直怖い・・・・


 そしてバリケードの向こうを見ると、先程スプラッターになった魔物を見てしまったのか、女共がゲロをしまっくっている。

 正直臭いでこちらもゲロ出そう。

 だがもう外で出しているから、何も出ない。

 うーん、勇者?もゲロっている。

 美少女がゲロって誰得?

 どうも画面の向こうで誰かがハアハアしてる気配がするけれど、無視。


 ゴブリン共は全部仕留めたけれど、オークが3匹もいて、強い・・・・。

 時々いいのを貰う。

 痛い・・・・


 だけどレベル差があるのか、怪我まではしない。

 あんな鈍器で勢いよく殴られて無事とか、この身体はどうなっているんだ?


 何か凄い期待する目線を感じるが、気にしないようにしながら戦う。

 ここでかっこよく助けたら、惚れてくれるのだろうか?

 もう既に彼氏がいますから無理です、とか言われたらショックだな。

 だが、その彼氏は、ここにはいないだろう?

 まだチャンスが・・・・と冷静になったら、30歳の大人がたぶん18歳?と思いたい、少女といちゃラブとか犯罪臭しかしない。


 それにしてもこの武器凄いな。

 既に2匹のオーク?を仕留め最後の1匹と戦っているけど、この個体めちゃくちゃ強い。

 もしかしてレベルが高い?


 しかし、こちらのレベルとは差が大きかったのか、そのうちオーク?の動きが悪くなり、最後はバリケードの残骸に埋もれてしまったので、首を刎ねる。

 そして、全部仕留めたのを確認後、石っころを探し取り出し回収する。

 何かの役に立てばいいが。

 お、何か落ちてるぞ。

 何だこれ・・・?宝石?綺麗だな・・・・貰っとこう。

 周りの無事を確認して、バリケードのあった方へ向かう。


「おーい、こっちは片付いたけれど、そっちは大丈夫なのか?」

 と話しかけてみる。

 すると、


「あ・・・・ありがとうございます!凄いですね!どうやって倒したのですか?その・・・・剣はどうしたのですか?」


 美少女が聞いてくるけれど、


「なあ、そっちは無事なのか?こう見えてもう、限界なんだよ。」

 肉体的にはまだいけそうだけれど、何度か攻撃貰っているし精神的にきつい。


「あ・・・・ごめんなさい、こちらは大丈夫です・・・・・・大丈夫じゃない人もいるけれど、大丈夫です。それより怪我をなさっていますね。たいして役には立ちませんが、消毒ぐらいはしますので中に入って下さい。」


 そう言われて気が付いたけれど、腕の一部から血が出ている。

 え?気が高ぶっていたから気が付かなかったけれど、結構痛いぞ。

「あ・・・・ってう・・・・痛てえ・・・・!」

 急に膝にきてバランスを崩す。

 あ・・・歩けないぞこれ?


「大丈夫ですか?起き上がれます?」

「ごめん何だか安心したら気が抜けたのか、無理だな。正直限界だ。」


 そう言うと、もう半分倒れ掛かる。

 流石にこれはまずいと思ったのか、勇者さんが体を支えてくれる。

 勇者さんに覆いかぶさるようにして、何とか歩く。

 もう片方は剣を杖代わりにして。


 中に連れられ、寝かせられる。

「一寸待って下さい。」


 そう言って去っていく美少女。

 周りを見るとこちらを見て、怯えているような女性が何人かと、寝ている人が何人かいる。

 そして、頭に何か被せられて寝てる人が何体か。

 あれ死体だろうな?


 勇者さんが戻ってきて、タオルを持ってきてくれる。

「怪我を見ますので、服を脱いで下さい。」


 勇者さんは医療の心得があるのか?

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