十八話 自分の持ち物に無関心な男
三人から一通りボコボコにされた。こういうときにも神狼の天眼の効果が使えればいいんだがあくまで戦闘中でないと使えないためボコボコ不可避だったのだ。
……空気を読む(?)装備ってどこにどう需要があるんだよ。(ボソッ)
いろいろと、本当にいろいろとあったがなんとか落ち着いた。お互いに。
「さてじゃあ説明してもらおうか。」
そう口火を切ったのはエイラだ。さっきまで鬼に憑依されているかのような形相を浮かべていたとは思えないほど落ち着いている。
「そうですね。ワイルに着いてから今まで休む間もなくいろいろと起こったので。」
コウは顔を赤らめながらもなんとか平常心を保とうとしている。どうやら自分が冷静さを欠いていたことを思い出し自責の念に苛まれているようだ。
しかし、説明を求められたところでこっちも説明できることがない。
そのことを伝えると三人は揃って眉間に皺を寄せる。
「そう言われてもよ...。」
「正直信じられないです。」
ですよねえ~。っていう感想しか出てこない。こっちとしてもいきなりフラッシュモブを仕掛けられたようなもんだ。被害者面したくてしょうがない。
するとそれまで黙っていたグランツが口を開く。
「ヴァイス、お前今クエスト受けて、もしくは発生してないか?」
「たぶん発生してないと思うけど......。クエストを受けたり発生したらアナウンスが聞こえるはずだし......。」
そんな何気ない俺の一言が引き金だったのかはわからないがつぶやくと同時にメッセージが届いた。
アナザークエスト
<あなたの武器は何処へ?>
勝利条件:盗まれた武器の奪取
クエスト名を見た瞬間に気付いた。俺が腰からぶら下げていた刀がなくなっていることに。
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