二話 早速戦ってみた男

 目の前には一切遮るものがない草原。

「あれ、普通町の中とかから始まるんじゃないの?」

 キャラメイクが終わった途端目の前が真っ白になり、気がつくとこの景色が広がっていた。

「俺人並みにゲームをやってきたからわかるけど、これってぜったいふつうじゃないよな。」

 誰もいない中で一人ごちる。

「まずは、ステータスを見たいんだけどなぁ……。」

 そうすると突然目の前にステータス画面がでてきた。


 名前  ヴァイス

 職業  導師

 レベル 1

 体力  1000/1000

 攻撃力 120

 防御力 70

 素早さ 80

 魔力  50

 スキル 鑑定

 魔法  ファイアショット(火)

    orウォーターショット(水)

    orウィンドショット(風)

    orアースショット(土)

    (各消費魔力5)


「これが俺のステータス……。ん?この魔法の表示は何だ?」

 そう呟くとその疑問に答えるかのように運営からメッセージが送られてきた。



 タイトル  魔法について


 リアルリアライズの世界では最初に選ぶ魔法によって覚えられる魔法が変わる仕様になっています。つまり今回あなたが選ぶ魔法によってあなた自身の成長の方向性が左右されることになるのです。時間制限はございませんので、じっくり考えてお選びください。


 運営より



「そっかー、どんな魔法でも使えるわけじゃないのかー。」

 俺はいろんな属性の魔法が使えるようになると思っていたが、別に使えなくても問題ない。なぜなら俺にはすでに理想像を持っていた。それは氷を操る導師である。

「やっぱり氷を操るクールキャラって憧れるよなぁ。日◯谷とかグ◯イとか。」

 クールキャラからは程遠い性格をしているからこそゲームの中ではそれっぽいキャラになりたい。そういうわけで将来的に氷の魔法が使えるようになる………

「ウォーターショットに決めた!!」

 事前の調べだと水の魔法から派生して氷の魔法が使えるようになるらしい。

 早速選んだウォーターショットを使ってみる。

「魔法を使うのにはどうすればいいんだろう?とりあえず魔法の名前唱えればでるかな。」

 そんなことを言っていると今度は目の前に小学生ほどの大きさのゴブリンがどうぞ的当てに使ってくださいと言わんばかりに現れた。なにせ、一切微動だにしないのだ。そんなゴブリンの上部には体力ゲージが見えている。

「これはやるしかないな。いくぜ!ウォーターショット!!」

 そう言いながら右手の平をゴブリンに向けると握り拳くらいの大きさの水の球ができ、それがゴブリンに向かって飛んでいく。そして着弾と同時にゴブリンの腹部に穴が空いた。

「おぉ…なんか思ったよりリアルだな。」

 そんな感じで俺の初めての戦いは終わった。

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