資産家に生まれた男子高校生・藤垣朋貴は、無自覚に嫌味を言ってしまう癖のせいで、友達がいない。SNSで見栄を張るため、友達代行サービスに依頼した彼の前に現れたのは、クラスメイトの美少女・綾森未希だった。友達がいないという共通点を持つ二人は、友達代行の仕事を通じて、友達の作り方を学んでいくことに……。
自分の気持ちを素直に伝えられず、相手に誤解を招いてしまうことってありますよね。主人公の藤垣くんは、まさにその典型です。周囲と仲良くしたいのに、言葉選びを間違えて、いつも相手を怒らせてしまう。一方、ヒロインの綾森さんは、藤垣くんとはまた違った理由で周囲から一目置かれる存在ながら、実は人見知りで口下手。ふたりとも、実に面倒くさい性格をしているのですが、だからこそ、ごく普通の出来事も新鮮で面白く映るんです。
友達代行のキャストとして、さまざまな現場に派遣され、人間関係に悩み、初めての体験に挑戦していく姿が不器用ながらも、一生懸命で応援したくなります。「友達って、なんだろう?」と、あらためて考えさせられる。人との距離感に悩む現代人に贈る、本当の友情を探す成長物語です。
(「代行サービス」4選/文=愛咲優詩)
仕事で友達をする。
これだけだと、物凄く冷えた関係です。ですが、この作品での友達代行のお仕事には、なかなかに温かみがあります。
主人公である藤垣君は、環境や性格のせいもあって、友達を作るのが得意な少年ではありません。実際クラスではボッチです。
そんなときに、ふとした思いから、頼った友達代行サービス。それが縁で、自身も仕事の手伝いをするようになったのが彼の転機です。
詳しくは読んで頂きたいところなので、多くは語りませんが、友達代行サービスを求める人たちは各々の事情を抱えながらも、個性的で魅力が感じられ、藤垣君自身にも影響を与えていきます。
その中で、少しずつ藤垣君の周囲にも変化が起き始めるので、私は飽きずに楽しめました。
仕事のパートナーである綾森さんも、なかなか魅力的なキャラクターです。彼女と藤垣君の関係性にも要注目です!
最近流行りの〇〇代行、その中でもこちらは友達代行のお話です。
主人公は友達のいない男子高校生、藤垣。鼻持ちならない発言のせいでクラスメイトには距離を取られがち。そんな彼がある日、ひょんなことから友達代行を依頼します。
その友達代行で現れたのがクラスメイトの綾森。なんだかんだで藤垣は綾森の仕事を手伝うようになります。ちなみに彼女にも友達がいません。
お互いが友達になれば簡単に解決なのに、彼らはそれぞれ友達になりたい相手がちょっとずつズレている。
思わずなんだこの不器用な子たちはと言いたくなるものの、何故か応援したくなる不思議。
よくある恋愛とはちょっと違った青春モノを楽しみたい方、是非読んでみてはいかがでしょう。