言葉は下手でも想いは届く。友達代行から始まる友情物語
- ★★★ Excellent!!!
資産家に生まれた男子高校生・藤垣朋貴は、無自覚に嫌味を言ってしまう癖のせいで、友達がいない。SNSで見栄を張るため、友達代行サービスに依頼した彼の前に現れたのは、クラスメイトの美少女・綾森未希だった。友達がいないという共通点を持つ二人は、友達代行の仕事を通じて、友達の作り方を学んでいくことに……。
自分の気持ちを素直に伝えられず、相手に誤解を招いてしまうことってありますよね。主人公の藤垣くんは、まさにその典型です。周囲と仲良くしたいのに、言葉選びを間違えて、いつも相手を怒らせてしまう。一方、ヒロインの綾森さんは、藤垣くんとはまた違った理由で周囲から一目置かれる存在ながら、実は人見知りで口下手。ふたりとも、実に面倒くさい性格をしているのですが、だからこそ、ごく普通の出来事も新鮮で面白く映るんです。
友達代行のキャストとして、さまざまな現場に派遣され、人間関係に悩み、初めての体験に挑戦していく姿が不器用ながらも、一生懸命で応援したくなります。「友達って、なんだろう?」と、あらためて考えさせられる。人との距離感に悩む現代人に贈る、本当の友情を探す成長物語です。
(「代行サービス」4選/文=愛咲優詩)