映画のかんそうぶん

たいぶん きみよし

IT THE END それが見えたら終わり

 ”IT THE END それが見えたら終わり”見てきました~。


 結論から言うと「ホラーを普段見ないという人も見てみるとおもしろい」作品に仕上がってると思ったぞ。


 かういう俺もホラーは苦手で、大人になった今でも、呪怨とか下手に怖いもん見るとトイレに行くときに葛藤が生じるおこちゃまな精神年齢の持ち主。本作はR指定こそされているものの、そこまでグロテスクに思う描写は少なく(何があったかな?腐乱死体とか、そこそこ生々しいバイオレンスアクションとかかな)、とりあえず同じR-15作品である”ジョンウィック・パラベラム”に比べたら全然マシでした~(こっちはアクション映画だけど、殺し方が生々しく進化してたね。ナイフファイトでの痛々しい様子が印象的。あれ?前作までRー12だったよね?そうだよね?)。


 じゃあホラーとしてまったく面白くないかというとそうでもなくて、魅せ方が良い!本作の予告編第一弾にあるベバリーと老婆とのやり取りなんか見ると分かるかも。ベバリーの見えてないところで不気味に動く老婆のキモさは文章化できる人いるのかな?前作で言えば、ペニーワイズが首を振りながら走って迫ってくるシーンもすごくツボ。登場から接近までのスピード感の緩急も相まってほんとにゾクゾクしたね!


 おどろおどろしいクリーチャーが数多く出てくるけれど、よく見るとどれも可愛かったりする。キモ可愛いってやつだね。ただ、だいたい腐ってたり、損傷が激しいから生理的に不快な人は出るかもね。


 全体的に見て、ホラー面に関しては「エグいシーンでトラウマを植え付けてやるぜ、グフフ」的な主旨は感じませんでした。むしろ、遊園地にあるお化け屋敷に入ったような、アトラクション的な面白さを狙っているように感じました。


 ホラーだけで終わらないのも良いですね。ありがちではあるんですが、明日に向かって進む上で必要なメッセージを伝えてくれてはいます。でも、どうかな~。人によっては、幼稚というか、恥ずかしい印象を受けるかも。いきなり変な壺が出てきて、「ペニーワイズを倒すにはみんなの思い出が必要だ」なんて唐突に言い出して、掘り下げもせず、そのまま皆思い出探し始めちゃうから、雰囲気が「同窓会で久しぶりにタイムカプセル掘ろうぜ」みないなテンションになって、原作未読の俺は若干の違和感を覚えたぞ!しかもそれが本編のほとんどを担うんだぞ。ただ、全て見終えた後に、その「思い出を掘り返す事」、そして「その先にあるもの」こそが本作のコアであり、ペニーワイズは一種のツールでしかないことに気付いたんだぞ!つまり、この映画はホラー映画ではなく、ヒューマンドラマにホラー要素を足した作品になっているんだぞ!俺でも見れるわけだ~。


 あ、最後になりますがキング御大ご本人が登場していましたね。


 キング作品は本当に重厚で、自分は小学校の頃、読書の時間に「デスぺレーション」という作品(”祈り”を武器に戦う少年とそれに関わる大人たちを描いた物語)を読んでいたのですが、結局読み切れず卒業しました。また、読めたら読みたいな~。

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