元最強賢者は異世界でメイドカフェを開きます〜転生賢者のメイドカフェ経営〜

第42話 新しいメイド服が完成しました。

　新しいメイド服を発注してから数日が経過していた。

呉服店の店主から、完成したから取りに来て欲しいとの連絡が入った。

　御影は呉服店へと歩を進めた。

「お疲れ様です」

「おお、御影先生、頼まれていたものは出来てますよ！」

店主は奥へと入っていった。

「どうです？　六人分揃えておきました」

「いやぁ、仕事が早くて助かります。完璧な仕上がりです」

「ありがとうございます。それは良かったです」

「それで、代金の方は？」

「はい、金貨で六枚になります」

「ここから落として貰えますか？」

御影は懐からギルド発行の冒険者カードを出した。

「かしこまりました。一括でよろしいですか？」

「はい、一括でお願いします」

冒険者ギルド加盟店なら少し割引も効くのだ。

御影は冒険者ランク最高のSランクの為、割引率も高くなっているので、出来るだけ冒険者カードで支払うようにしていた。

「お待たせしました。こちらが頼まれてたものと、冒険者カードをお返ししますね」

「ありがとうございます。では、また何かありましたらお願いしますね」

「もちろんでございます。今後ともご愛顧のほど、よろしくお願いします」

御影は購入した和服タイプのメイド服をストレージに仕舞った。

　翌日、皆をセルヴァントへと集めた。

「みんな、集まってもらって悪いな。今日はみんなに見てほしい物があってだな」

御影はストレージから和服タイプのメイド服を取り出した。

「新しい制服だ」

「「「おぉ、凄い。可愛い」」」

新しい制服はみんなからも好評であった。

「いつもの制服でも、新しい制服でもどちらでもいいから、好きな方を選んで着てくれ」

その日の出勤メンバーは皆和服タイプのメイド服を着るようであった。

　和服と言っても特別、知識が無くても、洋服のように着れる設計にしてある。

新しい制服に皆、気分を一新したようであった。

　そして、オープンの時間になった。

今日は祝日という事もあり、昼間からちらほらとお客さんも入り始めていた。

「「おかえりなさいませー」」

ルシールとメレーヌが接客に入る。

「あれ、制服変わったの？」

「そうなんですよ！　オーナーが新しいのを作ってくれたんです。前の制服も着ますけどね」

「そうなんだぁ。その制服も可愛いね」

「そう思います？　ありがとうございます」

「うん、凄くいいと思う」

常連のご主人様方にも新しい制服は好評であった。

これで、あの呉服店の店主もまた、忙しくなることだろう。

　さすがは祝日で、お客さんが途絶える事は無かった。

途中、クラリスにもヘルプに入って貰った。

「帰るかぁ」

御影は閉店準備を済ませるとクラリスと共に帰路に就こうとしていた。

「御影さんの作った制服凄く可愛かったです」

「それは、よかった。まぁ、杏のデザインがあってこそだったがね」

「はい、でも、やっぱり御影さんは凄いです！」

こうして、御影たちの日常は流れていく。

この、平和な日々がいつまでも続くことを期待して。