神々のガッコウ

第31話

 満開の桜の木の下で、私達6人が遊んでいる絵だ。


「素敵な絵…!ユヅが描いたの?…さすがだね!」


 りっちゃんが絵を見て叫んだ。


「………うん。さくらへのお祝いに描いたの」


 絵の中の神社には屋台が広がり、桜の花びらが舞い散る中、子供達がお祭りを楽しんでいる。


「結月…ありがとう…!」


 私は思わず、結月が描いた絵に魅入られて、また涙が出そうになってしまった。


「…どういたしまして」


 結月は嬉しそうに、微笑んだ。



「…俺もいる」



 大地が絵を見つめた。ピンク色の髪の少年が、薄緑色の浴衣を着た少女と遊んでいる。


「これはさくらだな。大地は必ず、さくらの側にいたから」


 凌太に言われ、大地と私は目が合い、笑った。


「…で、これが俺」


 お面をつけて綿あめを持った少年を凌太は指差した。祭りのたびに凌太は、ヒーローのお面を買っていた。


「これが私!」


 茶色がかったショートヘアの女の子を、りっちゃんは指差した。


「これ、僕?」


 紺野君は、桜の木の下で本を読んでいる少年を指差した。


「私はこれ」


 結月はみんなの絵を描いている少女を指差した。絵の中にいても、結月は絵を描いている。




「…この絵から行ける!」



 大地は結月が描いた絵に向かって両手を伸ばした。



「みんな行くぞ!」



 いきなり空間が歪み、



 世界が反転した。



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