失った先

あれから ――


星々と月と陽が、

更紗眼鏡のように幾度もゴロゴロと晄り。

好き勝手に廻っていった。


姫は想う。

近しく、遠い頃の、記憶。


あの日以来。


なんとなく、心の赴きのようなものが、閉じてしまい。

人を信じられなくなったりもした。

が、生きて、再会できるのならば、また会いたいな、とも想う。


月日を重ねた今なら ――


再び、旅商人と出掛け。

今度こそ、翡翠を見付け出せるし、

訊きたい事も、山ほど出来た。

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