嵐の夜を越えて

嵐の夜を越えて 嘘という雨を飲み下して

何度、ここへたどりつく?

僕のマリア様は確かに居たんだ。

君の胸にいだかれるのが幸せ。

嵐の夜に涙を雨と偽って無神経と呼んでみたんだよ。

びしょぬれの僕にお似合いの君のキスだ。

あの夜も長かった。

これからの夜も長いだろう。

ただ、マリア様は優しく包んでくれる。

不安な闇から解き放たれて ゆらりゆられて

また、嵐の夜に旅立つの?

この叫びが聞こえないなら今一度恐れなさい。

闇夜の獣がつけ狙うよ。

餓えて渇き、癒すため、あなたも獣におなりよ。

駆けて駆けて、地の果てまでも。

そして、今一度、ここへ。

舞い戻り、捨てては愚かさを嘆きなさい。


嵐の夜を越えて 嘘という雨を飲み下して

何度ここへたどりつく?

僕の救いと癒しはあったんだ。

この胸に抱える罪が理性の苛み

嵐の夜に涙を雨と偽って無神経と呼んでみたんだよ。

汚れまみれの僕にお似合いの罰の味だ。

雨に打たれる僕は悲しみを知らず。

持たざる者のひとりに。

人は獣という。

それも、また、滑稽だ。

心も持たずに笑うのはまさに人ではないでしょう。

もう、暗闇を恐れずに進みなさい。


嵐の夜を越えて 罪を罪とも思わずに。

僕のマリア様は確かに居たんだ。

君の胸に抱かれるのが幸せ。

嵐の夜に涙を雨と偽って無神経と呼んでみたんだよ。

だけど、びしょぬれの僕にお似合いの君がいない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る