墓守

光降り注ぐ中に調べを聞いた。

見上げた空に浮かぶ月

現を忘れ、心を解き放つ。

その風景に果てを知らぬ愛を見た。


知らず、凍える吐息でささやく人よ。

隠せるものか。

凍てつく大地のきらめきを。

忘れるものか。

厳しき冬に愛しき人

たとえ、目覚めぬ眠りでも輪廻は廻る。その限り明けを待つのだ。

思い続けるこの限り

人の詩(うた)は響きわたるのだ。

共に駆けたあの草原を

その身に受けたあの風を謳う。


厳しい北の大地よ。

凍えるは体なきその心

彷徨えるは心なき体。

苦しみは過去から続く今の世も。

奏でた調べの響きに心(シン)の音(ネ)を重ねては、乱すのだ。

猛々(たけだけ)しき者、朽ちては土に還る。

命を宿し、華をそえて

心は幾代もともに奏でよう。

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