老いること
僕が幼かったころ
僕はあなたの手を恐れた。
齢八十を越え
あなたは僕に愛情を注ぐ。
あなたの人生はその手に刻まれ
僕は何も知らなかった。
そして、僕も大人に近づき
あなたの手からあふれ出る
優しさを知るようになる。
刻まれたしわの数だけ
厚くなった皮膚の分だけ
僕の家族を守っていたこと。
齢八十を越え、人生の最後に差しかかると
あなたが泣いているのをよく見るようになった。
僕は知ろうとすること
理解しようとすることを拒否して
家を出た。
その頃、すでに足腰も立たなくなっていた。
そして、時は過ぎ、僕は家に帰り、あなたを見送る。
これから先もたくさんの別れを僕は経験するだろう。
笑って、泣いて、崩れおちることもあるだろう。
だから、最後に聞いてもいいかな。
おばあちゃん
こんな家族でもあなたの人生に意味はありましたか?
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