緩急の付け方がうまいです

 やっぱりホラーは短いほうが怖い! と証明してくれる作品です。
 僕はネットで怖い話を読み漁るのですが、長編はダメなんです。それなりに文章力がないと、感情的に書きすぎて読みにくかったり詳しく書こうとして逆に頭に入ってこなかったり、十分に怖さを楽しめません。
 『歩行者専用道路の標識』の長所はストーリーの短さです。ダラダラと主人公の気持ちを書いていたら、テンポが悪くなっていたでしょう。シンプルに「何があったのか」を教えてくれたおかげで、ラストはシャープなキレを感じました。
 すでにこの作品に目を通した方から「伸ばしようがないだろ」と正論が飛んできそうです。実はこの作品にはもう一つ良い点があります。分かりやすいのです。
 誰もが見たことのある標識にまつわる都市伝説を持ち出し読者の興味をひかせておきながら主人公は「ガセだろう」と否定し、あのラストで締めくくります。
 「数日前から不可解な出来事が頻繁におきていて調べてみたらじつはある怨念が関与していて……」みたいなややこしさがありません。

「私も標識の都市伝説は聞いたことがあります。妙にリアリティのある話です。その都市伝説をストーリーにどう組み合わせるのだろうと楽しみながら読みました。油断したところであのラストに意表を突かれました。面白かったです。
 タグが「ホラー?」なのは怖さより驚きを感じるからでしょうか? 私はホラーの怖いと驚きの差がわからないので、自信を持ってホラーと断言していいと思います」

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